『幕間三』??と??
桐野陽菜…さんですか?すいません、よく覚えてなくて。これでも物覚えはいい方だったと思うんですけど…桐野、キリノ…確か中学校で同じクラスだったはず…って、だから僕のところにインタビューをしに来たんでしたっけ、ハハ。
それで、何か彼女に用があるんですか?あいにく連絡先は持ってないんですよね…はい、はい、は?え?死…亡くなられた、と。うわあマジかー。いやその…まあ、お悔やみ申し上げます、でいいのかな?あんまり実感湧かないんですよね、実際に立ち会ったわけじゃないし…
それで、彼女の印象、ですか?これも申し訳ないんですけど、覚えてないんですよね、あんまり。
ああでも、休みがちな子でしたね。小学校でも中学校でも、割とそういう子いるじゃないですか?彼女もその一人でしたよ。つっても家が近かったわけじゃないし…もう二年前ですよ、卒業したの。なんで、他の、できれば女の子に聞いてみるのがいいと思います。俺からも知ってそうな子に連絡しときますよ、誰がいいですか?
* * *
ひなちゃんですか?私、知ってますよ、一応。家も近くて小学校から一緒だったので。中学校で私が団地から引っ越して家が遠くなるまでは、休んでたときのプリントとか渡しに行くような、そんな関係でした。
それで…あの子になにかあったんですか?はい。ありましたね、そんなの…はあ、なるほど、いや…そうですか。あの子もその一人だったんですね…グスッ…すいません、少し、いいですか?
…ありがとうございます。落ち着きました。ズッ…はい、そうでしたね。あの子は…その、なんていうか、静かでおとなしい子でした。今も覚えてるのがあって、あの子、基本的に静かだったんで、それで調子に乗った男子たちに目をつけられちゃったんですよね。私の見てないところでも、色んなことされてたみたいなんですよ。ひどい話ですよね、今聞くと。ああ、それで、悪戯も度を超えちゃって泣いちゃったとき、たまたまそこにいて見ちゃったんです。あの子、泣くとき、まるで諦めたように泣くんですよね。大きな声で助けを求めるんじゃなく、なんて言えばいいんだろう、ほんとに、諦めてるんです。
えっ、それがもとで自殺…あ、可能性の話ですよね、よかった。卒業してから連絡が途切れたんで、その後の二年間は知りません…あっ、そういえば、あの子苗字変わってるんですよ。小学校くらいまでは『温山』でした。温泉の温に、山です。珍しかったので覚えてます。まあ…そのくらい家庭の状況が複雑だったので、もしかしたらそういう事情かも…あるいは、同じ高校の人とかに聞いてみてください…あ、行ってなかった、なるほど、それは申し訳ないです…中学から交流もなくて…そしたら尚更、家庭の方を調べてみてください。図々しいのは承知してるんですけど…私も気になるので、わかったことがあったら、できるかぎり、教えていただけると嬉しいです。えっと、番号は……
* * *
「うへえ…マジか…」
「どうしたのよ?」
「いや、例の女の子いたじゃない?」
「例の、じゃわかんないわ。あんたと違って記憶力は良くないんだから」
「ほら、あの子。俺が手を出してないのに、偶々こっち来ちゃった子」
「いたわね、そんな話をされた気がする」
「あの子、向こうで記憶が復旧できてないっぽい。なにせ全部イレギュラーだから」
「そしたら加護を与えてやればいいじゃない。後付けもできたでしょ?」
「別にいいけど…はあ」
「何ため息ついてんの。あんたの不手際なんだから自分で処理しなさいよ。こっちだって忙しいんだから」
「違うさ。純粋な俺は、あの子の苦しむ姿が見たくな…」
「嘘つけ」
「…別に嘘じゃねえんだけどな」
「それで?あげるものは用意できたの?」
「後からでも不自然じゃない加護ってのもなかなか無いんだよ。なんかおすすめある?」
「その子を見てから判断するわ」
「ほれ、この…今俺の自信作の近くにいた子」
「この子か…だったらさ、これとかどう?たしかこのページの…これ!」
「ふーん、いいんじゃない?付けてみっか」
「…どう?変化ある?そんな急に苦しんだりとかは無いはずよ」
「まあ人に害をなすわけじゃ無いし、正直言ってクソ雑魚能力だからね」
「その原因はあんたのミスにあること忘れないでよね」
「それに、俺たちはこうしてしか干渉できない。全ては、大いなる運命の導きのままに、さ」
「…可哀想ね、あの子」
章末、ということで少しお休みします。時期が来たらまとめて投稿する予定です。




