どれから?
「王太子陛下」
マジェンタ卿は、王太子の顔を見据えていた。
「あの男は信用できるのですか?」
「少なくとも、ヴィヨレの民だ。変な男より信用できる。」
「しかし」
「それに、回復したタイミングで消せば良い。
その間は、我が宮で養生していたことにするよ。」
それを聞いたマジェンタ卿は眉をひそめた。
「陛下は、我が娘の地位を何処にするおつもりで?」
「流石に正は無理だけど、」
そう言った陛下は少し考えて
「そもそも、あの子は望むかな。」
「あの平民に絆されると?」
「というか、あれ、普通の平民かな?」
「・・・聖女かそのあたりの血縁と?」
「ヴィヨレだからね。あり得るかもね」
「ふむ・・・」
「ま、それも重要だけど、まずはこっちだ。」
そう言って報告書を王太子陛下は叩く。
「蛮国の干渉があった可能性がほぼ確定した。
そのうえ、神国がどうも動いている。」
「蛮国がですか」
「ああ、蛮国の住民のほとんどがホブゴブリン。
ホブゴブリンの肌は紫で、基本的に魅了の能力を持つ種族だからね。」
「つまり、その魅了の能力が使われたと。」
「そ、基本的には番探しに使うのを外交に使ったんだろうね。
あのホブゴブリンがそんな頭があるとは思えないけど。」
「帝国が遊んでいるのでしょうか?」
「その可能性は高いね。
それで弟がオカシクされたんだ。
困ったもんだ。」
「どうされます?」
「どうって言ってもね。
西と南と東。3面攻撃じゃ、うちは持たない。」
「南は蛮国
東は帝国
この2国とは共同戦線できませんか?」
「うちの弟潰したのはこの2国なんだけどねぇ。
現実問題。それしかないのも事実なんだよな。
でも、神国がうち潰したらどうするつもりなんだろう?この2国」
「文化が全く異なりますからな。神国は」
「ね。どちらにしても、なんとかしないとね。」
外は、暖かな春が来ていた。
今は、食という壁が動乱を隠していた。
一つの事件が、バタバタと何かを少しずつ壊していったいた。
ひとまずこれで12歳は終わりです。




