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平民騎士予定の憂鬱なる日々  作者: もりかぜ
もうすぐ13歳
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学校

此処は、未成年養護施設(学校)

15歳以下の男女は数名の大人の保護の下此処で過す事になっている。

ヴィヨレの冬は、雪や雨が多くはない。

その多くは晴れている。

けれども、その日がヴィヨレを穏やかにしてくれる事はなく、日中でも水が氷になる。

夜ともなれば、その寒さと強風が様々なものを奪っていく。

大人でも厳しい冬は、小さな体から生命を根こそぎ奪っていく。

そのため、各村々で子供達を護るための(アブリ)が建てられたのだ。


---未成年養護施設(学校)---

木で組んだ土台の上に鳥の羽を詰め込んだ中央に穴が空いた布袋が置かれている。

その上に毛皮を敷き詰めた床と

円柱状に張られた巨大なテント。

中央には丸みを帯びたストーブが置かれ、中央上部は小さな開閉式の穴があった。

ストーブから伸びた木製の筒は、外に煙を吐き出していた。

南には開閉式の出入り口があり

北、東、西に少し小さな円柱が隣接されていた。

北は調理場、一番寒い場所だ。

・・・だが、料理するため火が燃え、もうもうと煙も湯気も外に流れていく。

そして、大体大人は此処にいてお湯を飲んでいる。

西はトイレ。

・・・とは言っても、一段低い穴倉に豚が2~3頭いるだけだが。

そして東は洗濯場兼御風呂場になる。


そんな居住空間で大人が1~2、子供が15~20

冬の間、生きるために皆で過すのだ。

-----------------------------

冬は、子供達が外に出るのは日が上に上り始めから、傾き始めまで。

傾いてくると風が強くなり、凍えるから。

だから、まだ日があっても、学校の中で過ごす事になる。

そして、皆暇だから、文字遊びや算術謎解きなどして遊ぶ。

遊び道具は、薪とストーブから出た灰。

灰を薪に書いて文字を覚えたり、計算したりする。

ある程度出来るようになった年長組は

お題の文字を異国の文字に訳す速さを競う異国変換や

特殊な図形の灰塗部分の広さを求める造形範囲が人気。

そして、秋頃には去年人気だった問題を毛皮に書き記し

学校に寄贈される。

そうやって、一つ一つの学校は暖かく、過ごしやすい環境になっていた。

飽きないために、少しづつ玩具の毛皮も増えてきた。

そう、子供達は生きるために、外に出ないために、必死に遊んでいるんだ。

少し経てば燃えてしまう薪と燃え尽きて残った灰で・・・。


爺婆衆がいうには、凍死で死ぬ人は30年前から比べると減ったそうだ。

8歳の時に、学校にいた爺さんが

『冬は一戸を殺す。新年前に戸を叩く怖さは、もう味わなくてええのは楽だ。』

そう、言ってお湯を飲んでたのを記憶している。

分からない中でも怖さと寂しさが記憶に残っていた。


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