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平民騎士予定の憂鬱なる日々  作者: もりかぜ
もうすぐ13歳
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それから・・・・2

そうそう、家にはお父さんが居た。

事前に聞いていたのか、こっちを労ってくれて着替えの為に別室に誘導したのもお父さんだった。

お母さんと妹は御祖母様の所に行った後だったけど。

うちは、冬になると御祖母様の所にお母さんと妹が行くのが習わしらしい。

春・夏・秋なら俺とお父さんも行く事があるけど

冬だけは、女性のみ御祖母様の所に行けて、親戚中必ず行くそう。

・・・・あー。結婚して親戚になった叔母さん達はダメだった気がした。


俺が参加出来ないので其処まで詳しくは覚えてない。

ただ、行った事のある記憶のみを辿るならば、

御祖母様の家の傍は、綺麗で安全で冷たい水と氷が常に存在する、そんな村はずれだった。


今はただ、一人で住んでて、毎日祈りを捧げて、ゆったりと暮らしていると聞いている。

時々遊びにくる子や孫を楽しみにしながら・・・らしい。


・・・そういえば、冬だけは呼ばれた人以外はあの家に辿り着かないとか言ってたっけか・・・

毎年呼ばれている母さんと妹は特別なのかもしれない。


・・・また御祖母様に逢いたいな。


§


お父さんは、そのあと、藁沓を2つ用意してくれた。

俺の分と、ベルナデット様の分。

そして、そのまま、畑仕事へと向かっていったんだ。

『この後、学校へ行くんだろ?

 案内は頼んだぞ。』

と言い残して。


ん?雪が少ないヴィヨレでどうして藁沓なんてって?

そうだね・・。

んっと、ここ、ヴィヨレでは『蝶の泉には妖精が住まう』と言われている。

その妖精は悪戯好きで、蝶の泉から流れる水に触れると生き物を変形させていく。

そして、いずれ死んでしまうそうだ。


蝶の泉の近くでは馬に適した飼葉が手に入るそうだけど

この妖精の悪戯のせいで馬を連れていけない。

だから畜産もダメなのだと。


そのため、此処では、人は水に触れないよう革靴を藁で編んだ沓で覆う藁沓を履く。

夏場でも・・・。

ただ、履けば助かるかというと、そうでもない。

妖精の悪戯の対象にされにくいだけで、されないわけじゃないからだ・・・。


俺は、ベルナデット様に藁沓の履き方を教え、履いて貰った。

こういう沓を履くのは慣れていないせいか結構大変だったみたいで、

足が入りきらずに何度か転びそうになっていた。


それでもどうにかこうにか歩けるようになったので、学校に案内することになったんだ。

学校。

ベルナデット様は学校と聞いて、凄く興味深々だった。

・・・まあ、実物見た時のショックな顔は、

・・多分・・見てはいけないジャンルの顔だったのだろう・・

当然、俺は見てないことにした。

ベルナデット様の名誉の為に言っておくが、そんな顔をされたのはほんの一瞬で

普通に接していたら気づくこともないくらいの一瞬だった・・と思う。


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