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王太子宮 密談~開始~

「これで揃ったかな。

 では、始めようか。」

そう王太子陛下が切り出すと、

まずベルナデット様のお父様であるマジェンタ様が突き上げた。

「撤回は望めないのですか?陛下」

それを陛下は一度静止し、坊ちゃんに流す。

「その前に、経緯と問題点を説明させてくれ。

 マジェンタ卿。

 ロシュ。頼む。」

「はっ。それではまず経緯から。

 先日行われた学院の閉院夜会で第二王息殿下がマジェンタ侯爵令嬢に対し、

 婚約の破棄及び貴族位のはく奪を命令致しました。

 それと同時に、ドゥワーヌ男爵令嬢との婚約を発表。

 その後、王太子陛下の命令により、両名を保護。

 現在、第二王息殿下は王城での保護観察、

    マジェンタ侯爵令嬢は一定期間の王太子陛下保護となっております。」

「うん。ありがとう。

 経緯としては以上だ。まあ、皆知っている事の再確認だね。

 で、それを踏まえて、問題点の整理だ。」

そういって、王太子殿下はまた坊ちゃんに促す。

多分、部外者だった俺に対しての説明なのだろうと、そう思って聞いていく。

「はっ。

 問題点は3つ

 1つ目、ドゥワーヌ男爵令嬢ことオフェリア・ゼレンコヴァの失踪。

     と、同時にドゥワーヌ男爵当主であるサンスノン・ゼレンコヴァも居なくなったとのこと。

 2つ目、第二王息殿下の体調問題。

     加えて、周囲の友人も同等の体調不備が見受けられています。

 3つ目、マジェンタ侯爵令嬢ベルナデット・エタンセルの貴族位はく奪。

 以上になります。」

「ほう・・・あの女狐めが消えたとは・・・。」

「そうなのだよ。マジェンタ卿。

 そして登城の命を出そうにも、当主であるサンスノンも消えたんだ。

 困ったもんだねぇ。」

目がキラリと光ったように見え、不気味な笑みを浮かべているマジェンタ様と

苦笑しつつも少し困った顔をされている王太子陛下。

そしてそこに並ぶ3つの問題。

その二人で悩み、色々な意見を交わすのを見ながらもう一度考えてみる。


俺の中で何個か疑問点が浮かぶ。

疑問点は自分だけでは解決しそうにもないものだった。

なので恐れ多くも、その疑問をぶつけてみるつもりでおずおずと手を挙げた。

「ん?どうしたんだい?ジャスタン君。」

すぐに王太子陛下が気付いてくれた。

そして、皆の視線が俺に集まる。

「あの、浅学で申し訳ないんですが・・・」

「うんうん。気にせずに聞いてみて。」

「あ、はい。

 えっと、幾つかあるんですが」

「うんうん。一つづつゆっくりでいいよ。」

「あ、はい。ありがとうございます。

 んっと・・・まずは、ドゥワーヌ男爵って何処所属の男爵位なんですか?」

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