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王城~王太子宮~

馬車が裏門から入り、庭を幾つか越えて

何処をどうやって移動したのかをわからないように移動していき

王城の一区画、離宮のような場所で停まった。


「リラ男爵令嬢。ジャスタン様。到着致しました。」

御者台にいた初老の男性がそう告げると、馬車の扉を開けてくれた。

マリーさん、次いで俺が馬車から降りると

数名のメイドさんが並んでいた。

「リラ男爵令嬢は、こちらへ。」

「ええ。よしなに。」

そうメイドさんの中で一番偉そうな人がマリーさんを促すと

マリーさんもその後を付いてく。


それを見送ると初老の男性は振り返り

「ジャスタン様は、こちらへどうぞ。」

俺にそう告げ、一定の速度で歩いていく。

俺は、置いていかれないように付いていく。


§


暫く歩いたと思う。

離宮の奥にある大きな扉の前に着くと

「こちらでございます。」

と、此方に向き直った初老の男性は語った。

初老の男性が『コン・コン・コン・コッ』とノックをすると

その扉がぎぃと開く。

そこは兵士が二人横脇に立ち、さらに奥にまた、大きな扉が存在していた。

「ジャスタン様をお連れしました。」

そう、告げると、兵士の一人がすぅと居なくなる。

暫し待つと、奥の扉がぎぃと開いた。

ふと、消えた兵士の方を見ると、既に存在していた。


やっぱり、王太子ともなると、警備は厳重なのだろうな。

扉をどう開けるのか、二人の兵士がどう移動していたのか

さっぱりわからない。

それでも、呼ばれている以上、この先に行かないといけないのだろう。

そして初老の男性をちらりと見ると

「この先は、ジャスタン様のみとなっております。」

そういって、頭を下げた。

・・・あ、やっぱり?

王息殿下の時もそうだったもんな。


ふう、とため息をつき、腹に力を入れて。

「ジャスタンです。失礼します。」

俺は部屋へと入っていった。


§


「此処では堅苦しい挨拶は抜きで。

 それどころではないのでね。」

入室一発。

俛伏し挨拶しようとした所に頂いた王太子陛下からのお言葉だった。


「は」と返事しつつ部屋を確認する。

中央にはしーのお兄さん。王太子陛下。

右にはベルナデット様と同じ髪色のおじ様。

多分ベルナデット様のお父様なのだろう。

 お父さんと同じ年か少し上くらいかもしれない。

かなり渋い顔をしてこちらをちらりと見、そして視線を王太子陛下へ戻した。

左には坊ちゃんが居た。大分困った顔をしつつ俺を見ている。

最後に、もう一度王太子陛下に視線を戻す。


すると

王太子陛下が三方向を見みて、軽く頷き

「これで全員揃ったかな。

 よし。

 では、密会という会議を始めようか。」

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