カイダン
小窓から本に差す色が薄く赤色になり始めた。
それを認識し、一度目を瞑り凝り固まった頭を軽く動かした。
そして、目尻を押して長時間の読書の疲れを抜いていると、目の前に人の気配があった。
そちらの方を見てみると、俺が読み終えたはずの本を手に取り読んでいるベルナデット様がいた。
大分呆けた顔をしていたのかもしれない。
こちらの視線を認めたベルナデット様は、「熱心に読まれていたのですね。」と言うとくすりを笑みを浮かべた。
「ええ。普段では本なんて読めませんから。」
「安くはないですものね。
本当真剣に読まれていました。」
「なんか恥ずかしいですね
・・・何時から見てたんです?」
「んー・・ふふ。ないしょです。」
ポリポリと頭をかきつつ、本を片付け始める。
ベルナデット様も読んでた本を閉じ、纏め始めた。
「大丈夫ですよ?」
「勝手に読ませて頂いたので、片付けくらいはお手伝いさせてください。」
「んん・・・分かりました。宜しくお願いします。」
そういうと、少し嬉しそうに頬んでくれた。
俺は、大き目の束をもち二人で2階へと向かった。
片付けは、心持ち早く終わった気がする。
§
「片付け手伝って貰ってありがとうございます。」
そういうと図書室の扉を開けた。
「こちらこそ、ご一緒したこと、ご迷惑でなければ良いのだけど。」
そう、小首を傾げつつ扉を通るベルナデット様。
「いえ、迷惑なんてとんでもない。
ただまあ、少しびっくりしましたけどね。」
「あら、うふふ。ごめんなさい。」
扉をできるだけ静かにしめて廊下と二人で連なり歩く。
回りをみると、もう夕方なためか、人がまばらだった。
階段が辛うじて見えてくるか否か
キャーというつんざくような悲鳴が階段側から聞こえた。
ベルナデット様と見合い、二人とも頷くと急いで階段の方へ向かった。
階段へ着くと、其処には女性用のローブを着たナニカがいた。
「うそ・・・どうして?・・・な・・・そ・・・」
それを認めたベルナデット様は、何故か青い顔をして呟いていた。
俺は、ベルナデット様込でこの時の映像を腕輪に写した。
そして、ナニカが階段脇の細道へと向かっていくのを認めると追いかける。
回りの人たちは、階段下を気にしているのか、ナニカが移動している事に気付いていないようだった。
ナニカが入った脇道を覗く。
奥は少し薄暗い。
その道に入る。
すぐ目の前に壁が存在していた。
・・・・そこには人の影は無かった・・・・




