閑話:公爵
「お父様!」
娘が居なくなったのに気付いた後、方々を探していると
外で警笛が鳴った。
心配になって見に行くと、侍女の服をローブの上から羽織った娘が此方に走ってくる。
「ペトロニーユ!此処に居たか。
しかし、無事で良かった。」
「ええ。学院の給仕に助けられたの。
あ!その給仕が私の替りに攫われたの!
お父様。何とか出来ない?」
学園の給仕が攫われた?
警笛はその関連か。
しかし、停車場は"護衛"や"御者"等の大人の眼が比較的多いため
幼い年齢の子達も作業出来るはず。
その上、攫われたとなれば、各家が騒ぐはずなのだが・・・。
ふむ、どこぞの繋がりの薄い平民出の可能性が高いか。
それとも・・・
そういえば、今年はゴミが紛れたな・・。
「公爵令嬢を護った相手なのだから。当然探索を指示しておこう。」
「ありがとう。お父様!」
そう、娘は嬉しそうに微笑んだ。
なに、その給仕が死んでたとしても、公爵令嬢を護ったことは誉であることに変わるまい。
そのうえ報奨金をある程度渡せば喜んで終わる話ではあるだろう。
しかし、学園に賊が入り込むとは・・・。
どこかがなにか仕掛けているのかもしれん。
今はまだ、聖教はノワール家を支持している。
このような事件が頻発すれば、聖教の影響力も減り
神教の腐れ共がまたこっちに向かって来るだろう。
他公なら、取って代わるチャンスとしてノワール家に圧力をかける所かもしれんな。
腐れ共に煽てられてる事に気付いていれば良いが・・・。




