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閑話:???

ノワール神聖学園にある中程度のサロンは

夕方から少しずつ盛り上がっていた。


これから季節が秋へと移り変わるのを楽しむ夜会が始まるからだ。

15の年を超えた在学生を始め、

卒業を修めたOBやOGの歴々が参加する。

15歳の子女達にとっては、ボール以前にある最後で唯一の非公式な夜会となる。

当然エスコートする側も余念はない。

彼等にとっては、非公式とはいえ、念願の実践の場なのだ。


そのうえ、学院で行われる会は、

 在校生とその親族、

 OBとその親族、

 OGとその家族のみとなる。

つまり、他の夜会に比べ上級貴族のそれまた上位層ばかりが集まるということだ。

そのような人材がこと『勉強用の場』に集まる。

顔が繋げられれば良し、そうでなくても荘厳とした空気を味わえるだけでも

学生達にとっては経験となる。


・・・そして、参加する大人達も、この場で『政治』をすれば嘲笑われる事をしっている。

だからこそ、次代の『生徒』を暖かい目で見るのだった。


期待を胸に抱いた若者と、それを迎え入れる大人達が織成す宴は

ゆっくりと開宴の秋を待つ。


§


開宴の時間が過ぎ、駐車場は打って変わって静かになっていた。

御者や護衛も、今は休憩所で舌鼓を打っている所だろう。


そんな静寂の闇の中、一人の少女が隠れながら歩いていた。

侍女のような服装を着込み、フード付きのコートを羽織った少女は回りを見渡しながら歩いてる。


(なんで、15にもなっていないのにあの娘は参加しているの?

 そのうえ、べナルド様のエスコートなんて!

 ずるい、ずるいわ。)


そう憤りながら、マジェンタ侯爵の馬車に近づいていく。

実際にべナルドが誰をエスコートしたかは少女は見ていない。

しかし、彼女が今回の夜会に参加したことは聞いていた。

だからこそ、少女は、ちょっとした悪戯をしにきたのだ。 

ローブの上に侍女のような衣服を重ね着て、さらにコートで隠して・・


女性の馬車には、万が一のために替りのローブが積まれている事が多い。

そのローブを汚そうと忍び込みに来たのだった。


きょろきょろを周囲を見渡す。

男爵家の馬車が停まるエリアに、男爵程度が乗るには大きい・・・

否、夜会で乗ってくるには不自然に大きい多人数用の馬車があった。

・・しかし、少女は気付かない。

その不自然さに・・・


少女は、更に馬車に近づく・・・

不自然な馬車は、不自然に大きく揺れた。

・・・しかし、少女は気付かない。


少女は、馬車の扉にてをかける・・・・

何かが迫る、そんな風が、木が、静かに動く。

・・・・しかし、少女は気付かない。


・・・・・

・・・・・

・・・・・少女は、気付かない。


・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・少女は、気付かない。


・・・・・・少女は、気付かない。

・・・・・少女は、気付かない。

・・・・少女は、気付けない。

・・・少女は、気付けない。

・・少女は、気付けない。

・少女は、気付けない。

少女は・・・・・


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