表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/86

馬は天に嘶く

三日程の研修期間が終わり

給仕は、元居た人数の半数以下になっていた。

一定の水準に満たないと切り捨てられるためだった。


4日目に突入すると、直しが終わった作業着を着こみ実践さながらの研修を行う。

とはいえ、15歳未満の俺たちは、基本的に使用済みのカラトリーを片づけたり

料理や飲み物の載ったワゴンをホール担当に引き渡したりする裏方の仕事だ。


道すがら来客に逢ってしまった時用に簡単な挨拶と案内方法を学ぶ程度で

ホール担当が行っているような仕出しや歩き方、話し方等の面倒な事は免除されていた。


そして、裏方最大の仕事が、馬車の誘導。

ホール担当が参加者の歓迎を行っている間

裏方は、彼等が乗ってきた馬車を停車場に誘導したり、御者や護衛を待場に案内したりする。


通常、夜会が終わると下位階級の人から帰宅となる。

上位階級の人は、最後に帰るか、中座して帰るかの二択になる。

まあ、夜会としては、朝までやってることもあるらしいけど

大体ホストからの挨拶(開催のではないやつ)が終わった後、

鐘の音が2,3回鳴り終わると(一旦の)終了らしい。

・・・まあ、学院内でやる夜会は、夕方あたりから始めるのでもう少し健全なんだそうだが。


なので、御者さんも主を待たせる訳にいかないため、早く行きたいが

階級差で譲る必要もある。

そんな訳で馬車の停め方にも作法が出来る訳だ。

それでも同格だとより良い場所を・・となって喧嘩になるらしい。


そのうえ、誰の庇護下なのか?誰の親族なのか?とかで力関係も変わってくるし

揉めるとそこら辺がしゃしゃり出てくるそうなので

中々に大変なんだそう。


とはいえ、最後は、『たかが学校行事』という大義名分の下

教育途中なのでミスはあるよねーという共通認識を持ってからの参加なんだから

ここで揉めたら恥ずかしいよってことで

流石に内乱までは発展しないようにしているようで安心?

・・・いやいや、普通なら、内乱まで発展するんだ・・・

貴族こえーなー・・・


まあ、そんな訳で駐車場での講習は念入りにやっていく。


白い線で区分けされた駐車予定の区域を皆で確認しながら頭に叩き込む。

本番では消される予定のため、当日は記憶と御者さんの助けが重要となる。


解散の合図とともに

俺は、理術の写絵(ネガ)で現在の状態を手のひらに移した。


物にも記憶を持つ。

理由とかは分からないけれどもそういうものらしい。

物が覚えていられるのは生き物より短く2日程度だがそれでも記憶があるのだ。

写絵(ネガ)は、その記憶の一幕を別の何かに転写する。

まあ、移された側も覚えていられる期間は短いのだが・・・。

まあ、特殊な紙になら長時間の転写が可能だったり、

   一定の期間を転写出来たりとするそうなんだけど。

基本的に紙が高いのでそんな代物は見たことはない。

とはいえ、この写絵(ネガ)放映(スクリーン)と並んで簡単な理術なので

結構な人が使えるのだ。

とはいえ、移された情報の精度は、物が持っている記憶と写絵(ネガ)の使用者の才能に依存する。

絵画とか、描画とか、そっち方面の。

俺は比較的に得意なので、使った。

他にも何人か同じ事をしている人がいるけれど、

その人数は少ない。


・・・・ま、移す必要もなく、覚えてしまっているというパターンの方が多いのかもしれないが

そんな能力は俺にはないので

さて、今日からこの転写情報を見て覚える作業を始めようか・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ