陽射しは和らぎ
夏の日差しが少し和らぐ頃
避暑に出ていた人たちも戻って来てきた。
マリー=セシールもへとへとになりながらも戻ってきて
本人は大変だった、疲れたと嘆いていたけれども
土産話を聞く限りは、とても涼しくて充実した日々だったようだ。
さて、もうすぐ秋になりかけのこの時期は
村やうちのような小さな町では、畑の収穫が始まる。
そのため、早い所では総出で刈り入れを初めていることだろう。
それが終われば、年に一度の楽しみである収穫祭。
気合が入るというものだ。
こっちは、どうも収穫祭の前祝・・というか・・
避暑地であった事を教え合うというか・・マウントの取り合いというか・・
の理由で、夜会が学院でも王都でも開催されるそうで
学院では、給仕の募集が(授業の実地として)張り出されていた。
今年は秋にも家に帰れないので、少しでもお祭り気分を味わおうと思いつつ
給仕の募集を受ける事にした。
家までは歩けば往復で2週間以上かかるので中々ね・・・。
§
給仕の講習を受けに講堂に向かう。
マリー=セシールもナタンも今回のに参画するそうで
一緒のフロアになったら嬉しい。
講堂に入ると先輩方も含めてかなりの人数が参加するようだ。
そのうちに、先生方の指示に従うと
14歳以下と15歳以上とに分かれた。
どうやら、ホール内で作業するのは15歳
つまり、デビュタントしているであろう年齢以上で
14歳以下は裏方(ホール前までの仕出しや皿洗い、買い出し等)をメインでやるそうだ。
そして、当日用の作業着のコートやローブに着込み
サイズ合せを行った。
黒メインでシャツが白のシックな作業着は
中々大人びてて格好良い姿。
それでいて、背筋が伸びそうながっしりとした服装。
少しブカブカな人もいれば
ちょっと窮屈そうな人もいる。
俺はというと、少しブカブカ。
ある程度の詰めはしてくれるようで、
服飾担当の人がサイズ合わせをしてくれた。
「ジャスタン。どう?服は着れてる?着られている?」
クスクスしながらマリー=セシールが話しかけてきた。
まあ、こういうフォーマル?のような恰好はしたことがないので
当然服に俺が着られているのだろう。
「どう頑張っても服の方が偉いからなぁ」
と、苦笑しながら答えた。
「そうよね。ジャスタンが着こなせてたら、悔しいもの。」
「良く言うよ。マシェルは綺麗に着こなせてるじゃないか。」
「そう?本当?家でも似た服は着ているから多少慣れてるとは思ってるけど」
そう言い、全体を見せようとクルクルと回って見せる。
制服以外のマリー=セシールを見るのは初めてでなんか新鮮だ。
特に、スカートではない姿は初めて見る。
そしてとても遺憾ながら
黒のペティコートに白のエプロンは、可愛らしいマリー=セシールに良く似合っていた。
「うん。とっても可愛い。似合ってるよ」
そう答えると、
少し恥ずかしそうにしながらも
「そう。私もそう思うわ。」
と、朗らかに微笑むのだった。




