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閑話:ベルナデット1

「レナルド様は、男爵令嬢のもとに足繁く通われているそうですわね。」


そう言って、彼女は一口お茶を含む。


「なんでも、彼女は可哀想な状態なのだとか。

 それで、レナルド様が助けないとならない。と。」

 

ベルナデットは、この何度も何度も聞かされた話題に辟易していたが

表情を変えることなく、茶会の主催者であるペトロニーユが演じる話題に耳を傾けていた。


「ああ、婚約者のベルナデット様ならご存知でしたわね。」

「正確には、婚約者候補ですわ。ペトロニーユ様。」

「あら、そうでしたわね。うふふ」


そう、レナルド自身も回りも、今の治世であればほぼ確定だと思っているが

”まだ候補”止まりなのだ。

王太子である、第一王子は、内部を固めるために国内の令嬢から王太子妃をと求められるが

第二王息であるレナルドは、外部からの婚姻外交を求められた場合、宛がわれる可能性が高いため

婚約者も、候補止まりにされているのだった。


少し勝ち誇っているペトロニーユを一瞥した後、ベルナデットは伏し目がちに言葉を続ける。


「ええ。その勘違いのお陰で、早くその席を空けて欲しい方から

 私は座ってもいないのに色々と責められて困っています。

 空いているのですから、座れば良いですのに・・・」


自分が座る事が、内内で決められている以上、座った後を考えてはいるが

ベルナデット自身は、其処まで乗り気ではない。

自らの父母のように、大恋愛の末の結婚を夢--無理だと知りつつも--見ている。

とはいえ、今は眼前の勝ち誇った令嬢をどうにかするのが先であろうと考え直し

一言追加で発した。


「ああ、ペトロニーユ様には関係ない席のお話でしたわ。」


それを聞いたペトロニーユはギリッと奥歯を噛み締めた。

恐らく、ペトロニーユはレナルドの事が好きなのだろう。とベルナデットは考えているし、それが正解だと思っている。

そして、だからこそ私に強く当るのだろうと。


ここノワールでは、王家からの臣籍降下はあれど、公爵家から王家への婚姻は行われない。

それは、この国の建立が要因なため、恐らく修正はされないだろう。


なので、彼女が彼と結ばれるためには、第二王息という座を降りる必要があるのだ。


そんな理由のため、彼女の事を少し可哀想と思いつつも、八つ当たりをされる謂れはないのだと

すまし顔で彼女の睨みを受け流すのであった。

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