階上防衛線
一階にいた人々が南にある出口に殺到し、
押し合い圧し合いしながら小さな出口から逃げ出している頃
館内を巡回していた兵士達は瓦礫等を使って逃げ終わった場所にバリケードを築いていた。
恐らく、ゴブリンに対抗するために構築しているのだろうけど
タイミング的に早すぎないか?
そのうえ、バリケードに築き方が少し変だった。
東西に展開がしづらく、南の出口に殺到しやすいようなそんなバリケードだ。
それでも、逃げてる人間には追い付きにくいように、小さな山を幾つかを用意はしているが。
出入口の詰まりが三分の二程になったころ、
北東側からドドドドと地鳴りが近づいてきて
黒い塊が此方に迫ってきた。
黒い塊は、小さな山を乗り越えようと一度速度が鈍ると
後ろから迫ってくる波に食われ、一時堰き止められる。
ただ、そのたびに数とうねりは増しているが・・・。
「おや、坊主。逃げそびれか?」
そういって、兵士の方々が階段の方へやってきた。
「ええ、あの人の波を避けたら此処に来ました。」
「あー・・・あれはキツイよな。潰されて腕骨折しているやつもいたみたいだが
後ろの黒い波を見れば痛みも消えるようだな。」
そんな話をしながら、階段に柵や拠点を築いていく。
そして、チラリとサイスを見て
「坊主も戦えるのか。なら手伝え。」
と、陣形の一人に組み込まれてしまった。
逃げようとしている人たちがどうにか出口から外へと脱せられたころ、
黒い波も出入口に到達してきた。
逃げて行った人々を追いかけるために、うねりに比べれば狭い扉を通ろうとしていく。
左右のゴブリンは目の前の壁に体をぶつけ、出入り口を広げようとしているようだ。
その後ろから迫っているゴブリンは目の前のゴブリンを掴み、壁にぶつけている。
ぶつけられ、四肢があらぬ方向に曲がり弱ったゴブリンに
複数のゴブリンが群がり、ボゴリボゴリと、黒ゴブリンを産んでいた。
そして、その内の何パーセントかは、階段の上にいる俺たちを認め、
こちらへと向かってくる。
兵士達は、最前列は盾で壁を築き
中列と共にポールで叩き落していった。
叩き落されたゴブリンは、当然というべきか、
下にはいつくばっているゴブリン達の恰好の餌に成り果てていた。
暫くして前列が疲れてきた頃合いに、後列と入れ替わる。
こうやって休憩を取りつつ凌ぐようだった。




