避難所
「・・・他の防衛線から、連絡来てますか?
特に東側から」
そう聞かれた騎士は、じろりと此方を見て
「何故そのようなことを?」
「いえ、東側に逃げた集団もいたので、心配になったのです。」
「連絡は出している。君が気にする所ではない。」
「そうですか。・・そうですね。」
そう、静かに頷くと
「では、お嬢様。参りましょう。」
とマリーさんを促した。
「え?ええ」
§
避難所の中に入ると中の兵士さんが2つの層が出来ていることを教えてくれた。
中央にある階段と2階に居る層と
一階北東側に居る層。
恐らく前者が貴族達だろう。
そして後者が平民達。
「マリーさんは、踊り場で休憩しててください。
東側は避けて。
俺は、飲み物と軽く食べられる物を貰ってきます。」
「ええ。ありがとう。ジャスタン君も気を付けて。」
一度マリーさんと別れ、厨房の方へと向かった。
厨房で働いている人がまだ居たので、ブリオシュとジュースを二つづつ貰った。
・・・少し怪訝な顔で睨まれたけど・・
踊り場には、何脚かの椅子が置かれていて
其処の一つにマリーさんは腰かけていた。
ブリオシュとジュースを渡しながら聞いてみる。
「2階は見ましたか?」
「少しだけ、部屋に入っている人はあまりいないみたい。」
「皆、不安なのでしょう。仕様がありません。」
「そう、でも、悲壮感はないみたい。
騎士達なら、勝てると思ってるのだわ。」
「・・・遺体を見ていないのでしょうね。
それでも、西は開いています。
いざとなれば王都に逃げることは叶うでしょう。」
「そう・・。その時は気を付けて。ね。」
「ええ。そうならないように、騎士様達には頑張って貰いたいですね。」
そんな話をしたあと、
俺は1階へ、マリーさんは2階へと別れた。
可能なかぎり東には居ないように伝えて。
§
一階を散策してみると
騎士の人が何人か内外を護っているようだ。
主に西側と南側。
西は退却先だから、南は今攻め込まれているから。
そしてそれに追従するように兵士も数人巡回をしていた。
・・・ただ、会う度に嫌そうな顔をされるのは気にくわない・・
一通り見て回ったので、中央階段の下の方に腰を下ろし休憩していると
北東側から悲鳴が聞こえる、
踊り場まで登って見ると、人々がこちら、そして、出口へと逃げてくるのが見えた。
案の定、東側から・・・。
二階の方を見ると踊り場から二階にかけての階段に不思議な障壁が出来ていた。
なるほど・・後方は踊り場までか・・・。
だからと云って、階段を降りれば人の流れに押し流されつぶれそうだ。
玄関の出入り口は逃げ惑う人たちでひしめき合っている。
外にいる騎士や兵士もあれが空けないと入れないだろう。
内部の巡回している兵士達はどうだろう?
仕様がなく、踊り場と一階の間の階段に陣取り、
若干血塗られているサイスを構えなおした。
・・・あ、嫌な顔されたのは、コイツが原因か!




