王都へと
家を出発して10日、ようやく王都に到着。
王領の関所までは順調な旅だった。
ただ、関所で手紙を盗んだのでは?という疑惑を持たれて半日ほど足止めされた。
助けになったのは、領主様から頂いた衣類だった。
まあ、ド田舎の染色もしてないコットとブレーでの旅だったので疑われてもしょうがないんだけど。
旅のルートと状況を説明すると、徒歩の旅だったので粗末な恰好をしていたのだろうと勘違いして頂き
着替えを条件として解放となった。
・・・・うん。王領では領主様から頂いた服を着ることにしよう。
赤色で刺繍は抑えめのプールポワン、藍色のショース、紺色のブラカエを着こんだ。
そして念願の乗合馬車!
値段は銅貨2枚。思っていたとおり高い。
それでも、これで数日のゆとりも出来るかな。
王都の観光なんてしたいなーって期待を膨らませ、乗合馬車に乗る。
・・・うん。
王都の入り口から王城まで2日もかかるなんて聞いてない!
王都の入り口で衛兵の人に
「出来るだけ馬車に乗った方が良い。乗合なら正規のをちゃんと乗るんだ。
でないと、広いから迷子になるし、下層は治安の良くない場所もある。
上層だと、入ってはいけない所に入ったら、殺されても文句が言えない。
だからね、出来るだけ馬車には乗った方が良いよ」
と教えて貰った。
なので、乗合馬車に乗って行くべく、教えて貰った駅へ向かって乗合馬車に乗車した。
でもねぇ、乗合なせいか、色々な場所を巡回するので時間もかかる。
さらに、区画単位で馬車から降ろされる。
うーん・・・乗換の度に消えてく銅貨・・・。
それなら、馬車一台借りたらどうよ?って思って聞いたら
馬1頭用の馬車ですら銀貨が必要と聞いて『無理』と思った。
下層と中層の間くらいで乗合馬車も走らないくらいの夕暮れ時
前を見れば3階くらいの立派な家々。屋敷なのかなぁ?
木造ではなく煉瓦とかが使われていそうな感じだ。
でも、領主様のお屋敷よりこじんまりしている。
うん。中層と呼ばれる区域みたいだ。
後ろを見れば、1、2階の家!って感じの家が密集している。
こっちは見慣れてて落ち着く。
下層の区域なんだろう。
それでも中層に近いせいか、立派な家が多い。
この日は、下層在中の衛兵さんご推薦の宿で泊まる。
なんでも、1階は屯所と食事処。2階が宿屋だそう。
この時期-学園入学前の生徒達が集まる時期-のみ平民・庶民向けに解放しているそうだ。
とは言っても今はまだ大分早いらしいけど。
値段は少しお高めで素泊まり銅貨4枚。
それでも、子供がゆっくり休めるのは貴重だ。
食事は、黒パン、野菜、後宿で購入出来た水で腹を満たす。
そして、割り当てられた部屋に入り、ベッドに座った。