笑う門には・・なら、怯える角には?
屯所を出ると、目の前に馬車が走って過ぎていった。
二頭の馬に牽かれた紋章付の馬車。
下層で走っているには無相応なそんな馬車だった。
乗っているのはひとかどの貴族様なのだろう。
なので、きっと護衛は居るんだろうし、安全なんだと思うけど・・・。
俺はなんとなく、気になったのでその馬車を追いかけていった。
§§§
暫く馬車が行った先を歩いていると
大通りから少し外れた場所に、件の馬車が停まっていた。
停車中の馬車には御者さんもいて、辺りを警戒していた。
此処は・・・小さい家が密集して建てられている。
先が覗かないと見えないような角
日の当たらない薄暗いような空間
そして、値踏みするような視線
そんなものが多いここは、
どの村でも、どの町でも、ある、ちょっと良くない場所だ。
それでも向けられる視線の位置が、若干高めが多いことに安心する。
するけど、こんな所に何の用なのだろう?
御者さんが特に警戒している区域に向かう。
一本道そうだけど、曲がり角がある、そんな小道だ。
何度目かの角を曲がろうとすると、奥から男の子が走って通り過ぎていった。
「おっと」ぶつかりそうになったので軽く避ける。
男の子はこちらを見ずに走って行ったし、
手元の動きもなかったのでスリでは無さそうだ。
もう一度曲がろうとしたら、今度は女の子が居た。
怯えた目でこちらを見る女の子。
ゆっくりとそして背中を向けないようにしつつ
俺の横を通り抜けていった。
今度こそはと曲がると、
其処には
---小さな塀に囲まれた教会のような建物。子供達が中で楽しく遊んでいる---
つまり、小さな孤児院があった。
そして、その前で騎士のような人に護られながら佇む少女。
「あれ?ベルナデット様・・・」
「あら、ジャスタン様」




