贈り物
朝起きると、執事のおじいさんが居た。
俺は、いつの間にかベッドで寝ていたらしい。
「おはようございます。ジャスタン様。
昨日はお疲れだったご様子。
僭越ながら、私がベッドへと移動させて頂きました。」
「あ、ありがとうございます。」
「既に朝食の準備が整っておりますが、
寝室で召し上がりますか?
それとも食堂で召し上がりますか?」
「あ、食堂にいきます。」
「畏まりました。」
軽く身支度を整えると、食堂へと向かう。
執事さんが道案内してくれるようだ。
道の途中で
「そうそう。もしあの部屋が寝ずらいとお思いであられるなら、
こちらの部屋もご案内出来ますよ。」
というと、従業員用の隠し扉を開けてくれた。
「でも、内緒ですよ。」
と、自分の口元に人差し指を立てて微笑んでくれる。
「ありがとうございます。
もしダメそうならお願いします。」
そうお礼を伝えて、食堂へと向かった。
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昨晩同様、マリーさんと食事を頂いた。
そして、食後のお茶を飲んでいると
「そうそう今朝早く、ヴィヨレ子爵様からの言伝が来てね。
ジャスタンくんのお父様から預かりものがあるから
王都のお屋敷まで取りに来てほしいそうよ。
はい。これ。」
そういうと一通の手紙を渡された。
「それを子爵様の屋敷で渡せば入れるはずよ。
何を預かっているのかまでは教えて貰えなかったけど。」
「そうですか。
じゃあ、領主様のお屋敷に行ってみます。」
「うん。一緒に行ってあげたいのだけど
今日・明日は採寸・手紙の返信・ジュエリーの選択とやることが多いの。
ごめんね。」
「いえいえ。俺のお父さんが送ってきたものですから。
さくっと、取りにいってきます。」
そういって、立ち上がろうとすると、マリーさんは不思議そうに首を傾げた。
「今辻馬車呼んでるけど、どうやって行くつもりだったの?」
「え?・・徒歩で?」
「・・・そう。それならもう少し待ってね。」
そう言われてしまい、仕方なくまたソファに座りなおす。
暫く、お茶とおしゃべりを楽しんでいると
「馬車が到着致しました。」
と、執事のおじいさんが教えてくれた。
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馬車に揺られ、一時間程で領主様のお屋敷に着いた。
ドアノッカーを叩くと、前にも会った執事さんが出てくれた。
「ジャスタン様。ようこそいらっしゃいました。」
「こんにちは。あ、マリーさんからお手紙を預かっています。」
そういって、手紙を渡すと、優しい笑みを浮かべ「お預かりします」といってくれた。
そうして、サロンへと案内して貰う。
執事さんは
「少々お待ちください。只今お預かりしている品物を持ってきます。」
そう一礼してサロンを出ていった。
代わりに、メイドさんがお茶を入れてくれたので、
それを飲みながら待つことにした。
執事さんが持ってきたのは、
ブローチと腕輪、そして少量のお金だった。
「こちらのブローチは、ジャスタン様に危険が襲うと、場所と安否をお父様とお母様に伝える魔道具となっております。
腕輪は、映像の記憶を保管・上映できる魔道具となっております。
保管期限は6か月程なので、それ以降まで残したい場合は、物質化する必要があります。
最後にこの3枚のメダルになります。こちらはヴィヨレ子爵様からの贈り物となります。
メダル1枚に一種類のお金が入ります。
メダルを弾くと、入れたお金が一枚づつ出てきます。」
品物をひとつづつ解説してくれる。
お父さんがくれたものは、最初、子供のためのものなので過保護だなと思ってしまった。
腕輪は・・・多分お父さんの趣味だ。『色々な景色が見たいから冒険者やってたんだ』って言ってたもんな。
最後の、領主様のは・・・お金仕舞えるのは嬉しいんだけど・・・結構凄い魔道具じゃないのかな。
「あ、ありがとうございます。」
この後、魔道具の使い方や、メダルへ入れる銅貨、青銅貨の枚数とかで揉めて
帰りは夕方になってしまった。
・・・どれくらい入るか知りたかったとはいえ、銅貨200枚、青銅貨20枚って
子供が持つ額じゃない気がするんだけど・・・。
ふうとため息一つ、領主様の屋敷が呼んでくれた辻馬車に乗って、男爵のタウンハウスに戻るのだった。




