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うららか

日は巡り

芽吹く植物も一旦の落ち着きを取り戻し、

可憐な花が虫達は未だかと言いたげに咲き誇るキノトの月。


貴族の方達は、慌ただしく構内や町を駆けずり回っていた。

侍従や侍女さんたちを伴って・・・。

というか、主に侍従や侍女さん達が駆けずり回っているのか・・・


マリーさんに聞いたら、この月の後半から来月前半が社交の季節らしく

ローブやコートの注文や修繕等でてんてこ舞いになるそうだ。


そのためか否かこの時期の授業も、ダンスとか剣術とかの華やかなものは鳴りを潜め

木材学・薬学・栄養学・料理学・洗濯学・掃除学と地味目で生活に沿ったものが多くなる。


俺は、人の少なくなった学園で、料理や栄養関連を受講していた。


あれからベルナデット様とは、まだ会えていない。

どうも、一足先に王都のタウンハウスへ戻っているそうだ。

王子様の婚約者ともなると色々とあるのだろう。

まあ、俺が傍に居たからといって何か出来る訳ではないのだが・・・。


「ねえ。ジャスタン君。」

「はい?」


夕食を終え、食器の片付けを終えたマリーさんが

お茶を用意した後、声を掛けてきた。


「申し訳ないのだけど、明日から数日王都の方に行っても良いかな?」

「ああ、マリーさんも夜会とかの準備ですか?」

「あら。私はもう婚約者も居るし、彼は王都のに出席しないからそういうのは無いわ。」

「マリーさんて、もう婚約者が居るんですか。」

「それってどういう意味かなぁ?」

じろりとこちらを睨むマリーさん。

一寸怖いです。

「いえ、単純に早いなぁと。ご結婚は何時されるのです?」

「あ、うん。早いのかな?ギリギリな気もするけど。

 結婚は来年を予定しているよ。」

「早いんじゃないかな。結婚適齢期ってだいたい25から30でしょ?

 うちの回りのお姉さんたちは、それくらいでお嫁に行ってた気がする。」

そう返答すると、少し考えた後、マリーさんはこう返した。

「ん~・・あー。でも最近のヴィヨレ領は、早婚ブームじゃない。」

「へ?そうなんだ。」

「あ、うん。そうなのよ。だから最近はそんなに早く無くなったんじゃないかな。

 っとそんなことより。」

「あ、はい。」

「王都に行きたいんだけど、大丈夫かな?」

「まあ、大丈夫ですよ。食事も自分で作れるだろうし。」

「え?」

「ん?」

「ジャスタン君も行くのよ?

 子爵様のお屋敷でもいいし、うち(男爵)のタウンハウスでも良いけど

 ・・・ちょっと手伝って欲しいこともあるしね。」

「え?ん?は・・・はぁ?」

「じゃあ、準備宜しくね。」


そう言って、マリーさんは俺を置いて部屋へと戻っていったのだった。

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