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入寮手続きははてながいっぱい

今日、寮に入る人たちは10人に満たないようだ。

大体平民の人のようで、誰か連れ添っての入寮ではない。

そのためか、一人一人の対応時間が長めな気がする。

俺は番台までの行列の最後尾に並び、暫し待つ。

この中で一緒の部屋になるひとがいるのかな?と観察していると時間のほうは結構過ぎてくれたよう。


とうとう自分の番となった。

番台の方を見てみると寮番をしていたのは、軍服を着た女性。

上級貴族も入るからだろうか?もしかしたら軍属なのかもしれない。


「次の方どうぞ。」

「ジャスタンです。今日から入寮予定なのですが、部屋は何処でしょうか。」

「じゃ・?はい。少々お待ちを。」


そういうと寮番さんは、一覧を調べ始めた。

チラリと一覧を見ると、すでに半分以上はチェックマークが刻まれていた。

チェックが入っている人は既に入寮手続きが終わっている印なのだろう。

それだけ入寮手続きが終わっているということか。

上級貴族の方々は、今回のに参加していないのでそういう人達が多いのだろうな。


「えっと・・じゅ・・じゅ・・・Ju・・・」


そういって指で一覧なぞっていくが見つからないようだ。

同じ所に指を行き来しつつ、徐々に眉をひそめていく。


「いえ、ジュスタン(JUSTIN)でなく、ジャスタン(JASTIN)です。

 JuでなくJa。」

そう言われて寮番さんは、え?と訝し気な顔をした後、

言われた内容を理解したのだろう、慌てて一覧に目を落とした。


「あ、在りました。失礼しました。

 ・・・・結構ユニークなお名前ですね。」

「ええ。本番に弱い父親のお陰で。

 一度聴いたら忘れないでしょう?」


少々引き攣った笑みを浮かべつつ処理してくれている寮番さんに

満面の笑顔で返してあげた。


寮番さんはこほんと咳払いし、

「ジャスタンさん。既に入寮手続きは完了していますね。

 お付の方が荷物整理を始めていますよ。」

「は?・・・え?」

「部屋はB棟の103号室ですね。どうぞ、お入りください。」

「えっと、A棟の間違いじゃないですかね?B棟?」

「いいえ。合ってますよ。ジャスタンさんの名前は

 一度聴いたら忘れませんから。」


そういって、満面の笑顔を返された。

仕返しのつもりだったのだろうか。

だけど、俺はそれどころじゃなかった。

B棟?


それも、既にメイドさんがいる・・?

なんで?どういうこと?


俺は回答の出ない疑問を抱え、ふらふらと

寮番さんに言われた自分の部屋に向かうのだった。


そんな姿を見て、寮番さんが心配そうに見ていたそうだが

この時の俺は、そんなことを気にする余裕は全くなかったのだった

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