入学準備:学園案内
2列に並ぶときに
どうも女子生徒の隣じゃないと嫌だという男子生徒達がいたようで一悶着があった。
何故あったと他人事のように言っているかというと
並ぶのは最後でいいや、どうせ奇数だから最後の一人で付いていけば楽だと
席でぼーっとしていたからだ。
結局先生に全員呼び出され席と同じ並びで進むことに決まった。
ようするに、俺の隣がオフェリア様になった。
因みに、最後尾である。
一人で歩けると思ったんだけどな。
下手に威張る奴等とかいて目を付けられるのもいやだしなぁ。
まあ、いいか。
可憐な令嬢の隣を歩ける機会なんて早々ないしね。
「また隣同士になりましたね。」
「そうですね。騒動に感謝ですね。」
「ジャスタンくんとなら、話しやすくて楽しいな。
だから、私のこともオフェリアって呼んで下さいね。」
ふんわり笑むオフェリア様。
うん、可愛い。
なので、こちらもヘラっと笑い返す。若干気持ち悪い笑みになったかもだけど気にしない。
前方から睨まれている気がするけど、気にしない方向で行きたい。
少なくとも、俺は何もしていない。
・・・・気にしない事にする事柄が増えてきた。
オフェリア様とお喋りをしつつも、先生の学園案内はちゃんと聞くようにする。
座学を行う、50名以上が入れそうな教室が3つ。4回生からは別の教室で行うらしい。
武術の稽古を行う運動場が3つ。
水泳や水場の武術用の水路が1つ。川と隣接している溜池のようなもので、川はそれなりの流れもある。
寒冷地用の練習場なのか氷室も1つ。
後は、薬学・医学・科学等の実験棟が2つ。5階建ての塔のような造りになっている。
そうして、ようやく寮の入り口に着いた。
「此処から先が寮だ。
寮は手前からA棟、B棟、C棟、D棟に分かれている。
A棟は、平民や男爵子息・令嬢が過ごす、2名で一部屋の寮だ。
B棟は、男爵子息・令嬢から子爵子息・令嬢が過ごす、1名1部屋の寮だ。メイド及び侍女・執事は1名のみとなる。
C棟は、伯爵子息・令嬢以上が過ごす、1名1部屋の寮だ。メイド及び侍女・執事は3名までとなる。
D棟は、1名1棟の寮だ。、
・・・この塀の向こうだから見えないけどな。」
D棟って、一軒まるまる寮にするのか・・・桁が違いすぎない?
あの言い回しだと、きっとお屋敷レベルの大きさなんだろうな。
「出入口は此処だけなので寮番のいる家の前を通って、寮番に話してから出入りしてくれ。
此処にはいないと思うが、馬車で通るものは、先触れを必ず出すこと。」
寮は寮番が住む大きな2階建ての一軒家がある目の前の大きな門を通るしか入れないらしい。
門側には番台があって、其処に人が一人いるようだ。
逃亡防止?か侵入者防止?なのだろう。かなりの厳重な防備だ。
まあ、王家の人とかも入寮することを考えると、必要な警備なんだろうけど。
また、門側には馬車の駐車場もあり、既に何台かは停まっている。
きっと、今回の参加者のうち帰る組のなのだろう。
「因みに、寮番の家の一階は食堂になっている。門を超えた寮側に入口があるので
自室で食べないものは其処で取ると良い。
では、今日から寮で過ごすものは、寮番から部屋の場所を聞いて入るように。解散!」
先生の解散の合図で三々五々に帰っていく。
「それじゃ、ジャスタンくん。入学式で会いましょう。またね。」
「はい。オフェリア様も気を付けてお帰りください。」
オフェリア様は軽く手を振ると駐車場の方へ向かっていった。
きっと馬車で帰るのだろう。
さて、俺も寮で荷ほどきをしますか。
空は若干赤くなりかけている。
急がないと暗くなって作業が出来なくなるだろ。
俺は、早歩きで寮番のいる番台へと向かうのだった。




