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絶世の美女と飲んでます

「だいたい何がポンコツ女神萌え〜よ!あのアホ共の尻ぬぐい、誰がしてると思ってんのよ!!!」


「大変ですねぇ」


なんで俺、死んでまで酔っ払いの愚痴に付き合わされてるんだろう。


そう思いつつも、女神様の機嫌を損ねるなんて上司を怒らせるよりよっぽどシャレにならない気がするので、適当に相槌をうつ。

神様にも上下関係があって、下っ端の尻拭いは上司の役目なんだそうだ。

世知辛い。


「ええ、大変よ!萌え〜とか言ってる奴らも私が後で調整するってわかってるからあんなにのんびりしてられるのよあの萌え豚共がっ!今度いっそ滅びるまで放っておいてやろうかしら!あらやだ、いいかも。そうしましょ」


女神様は酒に弱かった。グラス一杯でこの状態だ。


「いいんですか?それ…」


「いいのよ。そもそもあのアバズレ共、どうみたって確信犯じゃない!あんな間違った力の使い方があるかぁあああああ!!」


「そうなんですか?」


「そうよ!ああ腹立たしい!うっかり何匹かプチっとしてやろうかしら!」


「ええ…」


そんな気軽に…


女神様がサッと手を振ると、赤い点とかよくわからない文字っぽいものが空中に表示された。


「やだ、いい考えじゃない。私のストレスが減って、世の中からゴミが減る。ふふっ。ど・の・子・を・つ・ぶ・そ・う・か・な〜。よし、この子か〜。えいっ」


「ちょ、ちょっと待ってください!」


目の前に映し出された何かを指で追ったあと、プチっとしようとした女神様の腕に慌ててしがみついて止めた。

今、絶対本気だった。


「何よー。女神様の邪魔するってーのー?」


クダを巻く女神様を必死で止める。


「か、神殺しはマズいですって」


「マズくないわよ〜。うんざりするくらいいっぱいいるんだから、ちょっと減ったってわかりゃしないわよ〜。ほら離しなさ〜い」


「せ、せめて俺の目の前ではやめてください!」


俺は平和な日本育ちなんです。


「…わかったわ。じゃあ後で邪魔が入らないところでまとめてグシャッといきましょう」


…被害が大きくなったような気がする。


「うふふ、これであなたも共犯ね〜」


「全っ然違いますからね!?」


勘弁してくださいよもう…。

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