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プロローグ 追放後、起死回生。

応援よろしくお願いします!!!!






「お前には才能の欠片もねぇんだよ! いい加減にやめちまえ!!」

「な、そんな言い方ないだろ!?」

「誰かが言ってやらねぇとダメだろうが! 感謝しやがれ!」

「く、くそ……っ!」



 パーティーリーダーであるケビンの言葉に、俺は唇を噛んだ。

 たしかに俺はなにをやっても駄目だ。一応は【剣士】として研鑽を積んできたが、技術の上達にも限界がある。平々凡々な者は、それなりの成果しか出せない。

 でも、それはケビンや他のメンバーも同じはずで……。



「本当に俺だけのせい、なのか? お前たちだって、平均より――」

「うるせぇよ、オッサン! お前と一緒にするな!」

「そうだぜ。オレたちはまだ若いが、オッサンは先がないだろ? そこが決定的な差なんだよ。理解した方が良いぜ?」

「…………な!」



 それを指摘しようとしたら、他のメンバーから罵詈雑言が飛んできた。

 思わずたじろぐと、ケビンがその隙を逃さずに宣言する。



「これで決まりだな。アクロ・ヴィーケル――」



 口角を歪めながら。

 俺の顔を指さして……。




「お前は今日限りでクビ。追放だ!」――と。







「もう、冒険者は諦めた方が良いのか? くそっ……!」



 昼下がりの街を歩きながら、俺は小石を蹴り飛ばした。

 昨夜は完全に不貞寝。しかし朝起きても、気分はちっともスッキリしなかった。それもそのはず。今回の宣告は一方的だった。



「そもそも、全員に非があるじゃないか。それなのに――」



 ――どうして俺だけが、こんな目に遭わなければならないのか。


 そんな気持ちが、ふつふつと湧き上がってきた。

 しかしこれ以上気にしても仕方がない、というのも事実。俺は今後のことについて考えることにした。



「でも、こんな四十手前のオッサンを入れてくれるパーティーなんて……」



 が、すぐに暗礁に乗り上げる。

 俺――アクロは、今年で三十八になる。冒険者としてはベテランと呼ばれる域に達したわけだが、実力は決して高いものではなかった。

 そんな人材を、拾ってくれるパーティーがあるとは思えない。



「どうすりゃ、良いんだ」



 というわけで、お先真っ暗。

 無職となったオッサンは、頭を抱えることになった。


 そんな時だ。



「そこの殿方。少し、占っても良いかな?」

「え、俺?」

「そうそう。そこの、強面の」

「強面は言わないでくれ」



 目深にフードを被った老婆が、声をかけてきたのは。

 なにやら水晶をテーブルに置いていた。占い師、ということか。



「しかし、俺は金を持ってないぞ」

「いひひ。今回は特別、無料で占ってあげるよ」

「そうか? まぁ、それなら……」



 そんな誘い文句を受けて、俺は半信半疑ながら対面の椅子に腰かけた。

 すると老婆は静かに魔法を詠唱し始める。そして、



「どうやら、今後どうすればいいか悩んでるね」



 短く、そう言い当てた。

 占い師はさらに、こう続ける。



「アンタには【剣士】以外に、凄まじい才能が眠っているよ?」

「才能……?」



 それに思わず食いついてしまった。

 才能、という言葉。それは、俺にとって縁遠いものと思っていたから。



「アンタはこれからギルドに行って、クラスチェンジをすると良い。そうすれば、これまでの人生が嘘のように変わるよ?」

「それって……でも、いったい何になれば良いんだ」

「いひひ。そうだね、それは――」



 こちらの問いかけに、老婆はこう答えた。




「【勝負師】という、誰も選ばないクラスさ」――と。









「お、おい! お前ら勝手に逃げるんじゃねぇ!!」



 数か月後、ダンジョンにて。

 ケビンは逃げ出したパーティーメンバーに、そう叫んだ。

 アクロをクビにしてから、このパーティーの均衡は崩れ去った。弱いながらも、アクロによる年長者ゆえの気遣いで成り立っていたパーティー。


 それがなくなれば、崩壊するのは自明の理。



「く、くそ……! こんなところで!」



 ケビンは折れた足を引きずりながら、必死に歩いた。

 しかし、そんな彼の目の前に――。




「う、そだろ……!?」




 一体のドラゴンが、姿を現す。

 その大きさは、並のそれより数倍はあった。

 つまるところは、手負いのケビン一人で相手にできる魔物ではない。



「あ、あぁぁ……!?」



 情けない声を出すケビン。

 しかし、そんな彼にも救いがあった。




「え……?」




 一瞬の出来事。

 何者かが、ドラゴンの首を一刀両断した。

 さらには強力な魔法が放たれ、魔物の巨躯を焼き尽くす。素晴らしい連携による、魔物の討伐。ケビンは呆気にとられながら、それを見つめていた。



 そうしていると、不意に声をかけられる。



「誰かと思えば、ケビンか」

「な、お前は……!?」



 その声には聞き覚えがあった。

 ケビンはすぐに、その名前を口にする。



「アクロ……!」



 彼の目の前に立っていたのは先日、追放を言い渡した男だった。

 男――アクロは、軽く口角を上げている。そんな彼の様子を見て、ケビンはとっさにこう言うのだった。ヘラヘラと笑いながら、懇願する。





「す、すげぇなアクロ! なぁ、もしよければ――」




 厚顔無恥、という言葉が似合う表情で。



「俺と一緒に、やり直してくれないか?」――と。




 されど、アクロはこう言うのだ。




「へっ……断るぜ。俺は――」




 表情を崩さず。

 ケビンなど眼中にない、といった様子で。




「俺の理想とするパーティーを作り上げるからな!」――と。




 


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