笑み 全年齢対応ver
「遂に、時効か。。。」
俺は頭を抱えながら暗闇に浸かった明るい署内で抱え込んだ。
本年30歳になる刑事の俺が20歳の時に起きたこの痛ましい殺人事件を担当している。
新人にも関わらず俺自身の志望でやった。
上司は渋ったが何とか認めてくれた。
だからこそ何としても犯人を捕まえ、憎き犯人を、、、
「もう帰ろう」
後輩の犬吠に呆れられながら言われた。
非常に腹が立った。
哀れな顔で見つめる後輩を睨めつけた。
彼は左頬を少し上げたように見えた。
手を振りかざそうと思った、その時だった。
上司の神園が部屋の扉に飛び込んできた。
「殺したと名乗る男が明日昼に記者会見を、、、」
その言葉が全て流れぬ内に目の前が白くなった。
起きると家の署内の仮眠室にいた。
窓にはちょうど光が差してきた。
夜の話を思いだし、休憩所に走って向かった。
休憩所にあるテレビを付けると犯人が記者会見を開く話題で持ち切りだった。
かの殺人事件は普通の未解決殺人事件だった。
俺にとっては前述した様に特別な思いがあるが。
これがこれほど大きくなるとは思わなかった。
時効を過ぎた次の日に犯人が正体を表すとは怒りに耐えられない。
少女に変わって殺したかった。
席って戻って貧乏ゆすりをした。
資料を一通り読み直そうとした時
「君はとりあえず休め」
上司が強く言った。
「倒れるほどだ。相当頑張った事だろう」
優しい笑みを浮かべながらも少し強めに言われた。
(やはり何かがある)
薄くも感じ取ったが彼は年齢の割には若い。
朝食(時間的には10時なので微妙だが)としてコンビニでパンを二つ買い、休憩室でゆっくり食べた後、寝そべった。
犯人は何者なのか、何故殺したのか。
全く分からない事件だ。
その事件が急展開する。
この10年間で解けなかった謎がこの数時間で解決する。
昼時だ。
ぞろぞろとテレビのあるこの休憩室に人が集まってきた。
「えー犯人が壇上に現れました」
夢だった。
俺は笑みを浮かべた。
私はそんなストーリを笑った。