疑う心
今回物語はあまり進行しません。すいません。
「え.....嫌.....」
普通に考えれば、連れていかれる。だから、少女は普通に即答した。
「大丈夫だよ?シュラルには連れて行かないから。」
女の人が優しい声でそう言う?
「シェラル?何それ?」
「あぁ、今まであなたが住んでいた国よ。」
少女は今まで生活していた国の名前を知らなかった。知る機会がなかったから。ついでに、どうでもよかった。
「俺たちは、アルビオンに住んでいるんだ。」
「そこで、奴隷になるの?」
そう言った少女は、震えていた。
「安心して。アルビオンには、奴隷制度はありません。」
そう言って、女の人は安心させようとそう答える。
「そうなの?」
少女はまだ信じ切れていないようだ。
「どう?付いて来ない?」
「わかった.....行く。」
「それで、名前は?」
男の人がそう問う。が、少女が黙ったままだったので
「俺は、ジェストだ。そして、こいつが、」
「メイルです。よろしく。」
「私名前は無いです。」
「えっ、ナイちゃん?」
「無い」を「ナイ」と聞き間違えてしまったようだ.....
「いや、名前はありません。待ってない。」
「え?どういうこと?」
メイルは理解できないようだったが、どうやら、ジェストは理解できたようで。
「ごめんな。こいつバカなんだよ。」
そう言いながら、メイルの頭をパンパンと軽くたたく。
「バカじゃないよ。失礼な。」
少し頬を膨らませて怒る。
「ごめんって、バカじゃなかったな.....」
「うんうん♪」
「大バカだったな。」
「違うって!!ねぇ!!聞いてる?酷くなってるから。」
そんなやり取りを見ていた少女が
「ふふっ。」
笑った。少女が初めてこの二人の前で笑顔を見せた瞬間だった。その笑い声をきいて、メイルとジェストは目を合わせて、笑い出した。
「「ふはははっ。」」
「あぁ、ごめん。さぁ、行こうか。歩ける?おんぶしようか?」
「ロリコンめ。待ってください。それは、私がやります。駄目ですよ。この人は、ロリコンなので何をされるかわかりません。」
その言葉にきょとんとする少女。
「ロリコンって?」
「紳士だよ。」
そんな嘘を真顔でジェストは言う。
「違いますよ!!」
メイルから、出現した火の玉がジェストに直撃する。
「ごふっ!!」
「安心してください。手は抜きました。それで、ロリコンと言うのは小さい人が好きな変態です。」
「え.....」
それを聞くと、少女はそっとジェストから離れた。
「おい、変なこと言うなよ!!」
「こんなやつ無視して行きますよ。」
「うん。」
そう言って、アルビオンに向かって歩き出した。
「おい!!ちょっと待てよ!!」
感想やアドバイスを頂けると幸いです。