妹の成長
「起きて、仕事始めるよ。」
少女は妹を無理やりたたき起こす。
「う~ん.....おはよう。」
妹は眠そうな体をたたき起こしす.....
「じゃあ、早速仕事をしようか。」
――――――
「野菜だと思いなさい。そして、一思いにやりなさい。その方が、あなたとその人のためです。」
「わかった.....」
そう答え、少女は思いっきり斧を振り下ろそうとする。
「嫌だ、し、死にたくない~~!!」
処刑人の最後の悲鳴。それに驚き、少し妹は抵抗してしまい、斧の勢いが緩くなる。
「ああぁぁぁ~~、いっ、痛い~~。」
「っ!?」
昨日と何も変わらなかった。再びぎりぎり死なない程度に切り裂く。
「はぁ~~。」
大きなため息をついて、少女は一度斧を抜き首に振り下ろす。そうして、首が飛ぶ。
「仕方ないよ。次、頑張ろう?」
「うん.....」
――――――
「結局、無理だったねぇ.....」
「ごめん.....」
「別に謝らなくてもいいんだよ?お姉ちゃんもこれができるようになるには同じように時間がかかったから。」
ちなみに少女が首を切り落とせるようになるには、約1週間かかった。
「うん.....」
――――――
「えいっ!!」
かわいらしい掛け声で首が飛ぶ。
「ようやくできるようになったね。」
少女に教え始めてから2週間が経過していた。少女よりは遅かったが、これでも小さな子供が人を何のためらいもなく殺せるようになる時間にしては十分早いだろう。
「うん。」
褒めて褒めて~~、とでも言うように頭を前に突き出してくる。
「よしよし、よく頑張ったね。」
少女は、素直にその頭を撫で、褒める。
「やっと、仕事を覚えることができたか。」
そんな微笑ましい状況に水を差すように兵士がやってくる。
「では、来てもらおうか。」
「「えっ?」」
その指は、少女の方に向いていた。そこで、少女は再び思い出す。兄が今ここにいない理由を.....
――――――
「嫌だ、お兄ちゃん!!行かないで!!お兄ちゃんを連れて行かないで!!」
これは、ちょうど少女が仕事を覚えた日のことだった
「強く生きろよ.....」
「いや~~~~。」
少女は兄がどこに連れていかれたのかはわからなかったが、二度と帰ってこないことだけはわかった。
――――――
人は嫌なことは覚えていることが嬉しかったことを覚えていることが多い。しかし、それはその嫌なことが並みのでき箏の場合である。人は、あまりに悲惨な出来事は記憶から排除してしまうものだ。
「じゃあ、ついてきてくれ。」
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