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妹の登場

妹が可愛いと思えるのは、二次元限定です。現実は.....ねぇ?

「えっ.....妹?」


 そう驚く少女の目の前には、少女とは全く違う容姿の小さな少女が.....


「あぁ、妹だ。お前の仕事を教えてやれ。」


「おねぇちゃんよろしく♪」


 思わず少女の頬が緩む。同時に、自分も兄に教えてもらった時期があったことを思い出す。


「こちらこそ。よろしくね。」



 ――――――


 そうして、少女の妹に仕事を教える日々が始まった。


「これを、こうするのです。」


 そう言って、少女は妹に見本を見せるように首を切り落とす。


「ひぃ!!」


「ほら、やってみて。」


 斧を妹に手渡そうとする


「.....嫌だ.....」


 妹は決して受け取ろうとはしない。


 その行動を見て、少女は自分の過去のことを再び思い出す。



 ――――――


「私.....こんなことやりたくない。」


「やりたくないじゃないんだよ。やるしかないんだ。」


 そう言って少し怒る兄。しかし、私はそういわれてもやらなかった。


「しょうがない。コツを教えてやる。そこにいる人を野菜だと思え。それで少しは楽になる。そして、できるだけ感情を殺せ。」


 そういわれて、恐る恐る少女は斧を振り落とす。


「ぎゃぁぁぁ~~!?いっ、痛い!!」


「そんな風にすると余計に苦しむし、悲鳴を聞かなければならなくなる。だから、こんな風に思いっきりやるんだ。」


 結局、その日は切り落とすことは出来なかったが、その後徐々にできるようになっていった。



 ――――――


「私と同じ.....か.....」


 これは、生きていくためには必ずやらなければならない。自分の存在意義を示すために。


「この人を野菜だと思いなさい。そうすれば、少しは楽になるはずよ。」


「野菜だと思いなさい。」と言われた処刑人の方はかなり複雑な顔をしていた。


「うん。」


 妹は恐る恐る斧を振りかざそうとした。


「待って。」


 がそれを少女は止める。自分と同じ失敗をさせないために。そして、処刑人をできるだけ痛み感じさせず一瞬で殺すために。


「思いっきりやりなさい。できるだけ。」


「えっ?」


 しかし、小さな体では一度振り下ろした斧を止めることは出来なかった。


「ああぁぁぁ~~!?」


「っ!?」


 その声に妹は驚きその斧を放してしまう。支えの無くなった斧は、処刑人の首を絶妙に切り裂く。死なないぎりぎりの程度で.....


「ぎゃぁぁぁ~~~!?」


 仕方なく少女は斧を一度抜き思いっきり振り下ろす。そうしてやっと首が飛ぶ。


「しょうがないよ。次頑張ればいいよ。」


「うん.....」


「とりあえず、今日は寝ようか。」


 そう言って、妹と共に過ごす初めての日が終わった。

感想やアドバイスを頂けると幸いです

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