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ファルシュの物達

「ここが王宮.....」


 フェイトたちが見上げるそれはもう立派な建物だった。そう、それはもう


「「「「すごく.....大きい。」」」」

「資源の無駄遣い。」


 意見が違ったのは、あれである。ひとりだけ性根が腐っていたのだ。そして、そんなことは気にもせず.....気にもせず進み、王宮に踏み入れる。そこで待ち構えていたのは。偽物ファルシュだった。


「道を踏み外した同族よ。今我々の手で、止めて見せよう!行くぞっ!!」

「「「「おおぉ!!」」」」


 おそらく十人程度の偽物ファルシュがフェイトたちに突然襲い掛かる。それに対応するためフェイトはいつもの攻撃を繰り出す。


「その程度で我々を殺せるとでも?」


 そして、難なくそれを回避し、フェイトたちに多種多様な魔法を放つ物、フェイトに切りかかろうとするものなど。その攻撃を防ぐためフェイトは生成で盾を作り、水を纏わせる。涼しい顔ですべてを防ぎ切り、近くの物を同じく水を纏わせた剣で殺す。


「どうして.....」


 フェイトのレベルをたいしたことはないだろうと思っていた面々はすべて防がれた攻撃と殺された仲間を見て完全に固まっていた。


「どうして?それは.....お前たちと殺してきた人の数が違うからだよ!!」


 そう叫んだ時、空気が重くなるのを感じた。そして、フェイトは言いたかったことをただ叫んだ。


「何が道を踏み外しただ。お前たちも同じように人を殺し、その力を身につけた!!自分の手は汚れていないと、そうはっきりと言えるのか?自分は道を踏み外していないと!!もし、奴隷として働くのがお前たちの言う正しい道?そんな道なら踏み外すよ。誰だって。それなら私は、はっきりと言えるよ.....道を踏み外していると。それに、止めて見せようだっけ.....笑わせるな、お前たちに私が止められるかよ()」


 そして、フェイトは偽物ファルシュに突っ込んでいく。殺気は隠さず、代わりに両手に持った斧を隠して.....


 数分後、やはりそこには、真っ白な肌や髪が真っ赤に染まったフェイトが立っていた。


「さあ、王を殺しに行きますよ。」

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