山賊たちのお命相談
「何しに来たの?」
ジェストは完全に無視をして、メイルに問う。
「フェイトが心配で来たのですが.....余計な心配だったようですね。」
「.....そうだな。けど、フェイトその山賊たちをどうする気なんだ?」
「.....」
「フェイト、その山賊たちはどうするのですか?」
メイルがジェストと同じ質問をする。
「.....今、考えてるの。ギルドに連れていくか.....殺すか。」
メイルたちにはそう答えたが、フェイトには初めからギルドに連れていくという選択肢は無かった。
「殺すのは、かわいそうじゃないですか?」
「そう?今まで、山賊たちは何人も殺していると思うけど?」
「.....確かにそうかも知れないが、それでも殺していい理由にはならないだろう?」
「はぁ、殺らなきゃ殺られるんだよ?」
やっと、ジェストの言葉に反応する。
「どういうことですか?」
そのフェイトの言葉を理解できないメイルが思わず質問する。
「そのままの意味だよ?この数の人を、そのまま連れていけると思う?結構な距離だよ。もし、途中で逃げられたりして不意打ちを食らえばどうなるかは、流石のメイルでもわかるよね?」
「「.....」」
その言葉が、意味すること。それは”死”だ。まあ、もちろんフェイトにはそんなミスをしない自信があるし、もし不意打ちをされたとしても防ぎ、やり返す自信があった。が、それはめんどくさかった。せっかく殺してもOKと書いているのだ。殺るしかないだろう?
「だから決めた。今ここで殺す。ねぇ、見たくなかったら先に帰ってよ?」
人が殺される様子を見たい人なんて基本的にいない。もちろんそれは、いつも魔物を殺しているメイルや、ジェストなどの冒険者なども例外ではない。
「いや、私はフェイトと一緒に帰ります。」
「そうか、俺は見たくないから帰るわ。」
少しの沈黙。期待を裏切る一言。主にメイルの。
「え~~!?どうして?フェイトが心配じゃないの?」
「それは、もちろん心配さ。けど、フェイトの表情を見ていたか?お前が残るって言ったときの。」
「え?」
「すっごく嫌そうだったぞ?」
実際は、そんな事は無かった。が嘘をついてでも見たくはなかったのだろう。
「.....うっ.....わかりました。絶対に帰ってきてくださいね。」
「うん。」
そうして、離れていく二人を見ながら、フェイトはあることを決めていた。それは.....




