変わらぬ日常
短めですが、お楽しみください。
少女は、今日も人の首を切り落とす。
「いや.....だ。」
処刑人の最後の一言.....しかし、関係なく首は飛ぶ。
「さようなら。」
切り落とした首に一礼し、少女は次の仕事に取り掛かる。
―――――
「はぁ.....」
少女は自室に戻ると、ベットに倒れ込み眠りについた。
―――――
今日も今日とて少女は首を切り落とす。
「やっと.....やっと、死ねる.....」
「え.....」
いつも通りに殺ろうとしていた時、今までとは異なる処刑人の反応に、少女は振り下ろそうとしていた斧を止めた。
「どうした?速く殺してくれよ。」
「どうして.....そんなに喜んでいるの?」
少女は率直な疑問を、もうすぐ殺されるはずなのにも関わらず少し笑っている男に問う。
「どうでもいいだろう?そんな事。」
処刑人は取りあえず早く死にたいらしい。
「.....話さないなら、殺さない。」
気になったからだろう。いつもは早々に終わらせる自分の仕事を止めてでも聞き出そうとした。
少女の仕事は、1日に数人の首を切り落とすだけだ。そして、もう残りはこの人だけだ。時間は十分にある。
「ちっ、わかったよ.....簡単にだが話してやるよ。」
どうやら、少女の時間切れを待つよりも、話した方が早いと判断したんだろう。
「.....俺はな、奴隷だったんだよ。」
「だった?」
「あぁ、だったんだ。今は見ての通り、足を負傷してしまってな、需要無なくなって処分されるところだ。」
そういわれて、少女は男の足を確認する。
「折れている.....」
折れていると言っても、少しすれば治る程度のものだった。
「これだけで.....とでも思ったか?」
そう問う男の質問に少女はうなずく。
「これだけでも十分なんだよ。処分する理由にはな.....」
男の言った通り、処分される主な理由としては、奴隷にも生きるために最低限の食事は用意しなければならない。と言うことはもちろん食費もかかる。怪我をし、使えない奴隷に金をかける奴はいないというわけだ。
故に負傷した奴隷は処分するためにここに送られてくることがある。過去にも少女が気付かなかっただけで、何人もの奴隷の首を切り落としていた。と言うか、ここに送られている半数以上が奴隷だったりするのだが.....
「そうですか、ありがとうございました。では、さようなら。」
「あぁ、さいなら。」
そう言って、少女は斧を振り落とし、先ほどまで話していた男の首を切り落とした。何のためらいもなく。そして、切り落とした首に向かって一礼する。何の意味があるのかも知らぬまま.....
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