まあ、頑張れよ。
「あっ、バカ、おはよ~。」
冒険者ギルドに入ろうとしたメイルとすれ違い、フェイトはメイルとあいさつを交わす。
「おはようございます。って、どこに行くのですか?」
「クエスト。」
今回フェイトが受けたクエストは
~
<魔王討伐>
・まあ、頑張れよ。
~
である。まあ、この世界の魔王は、その辺にうじゃうじゃいるので、こんなものなのである。もちろん、すごく強いがドロップ品もおいしい。
――――――
「この辺のはず.....」
暗い森の中辺りを見ながらそんなことを呟く。実は、かれこれ数時間近くさまよっていたりする。しかし、魔王は夜にしか姿を見せないので、どれだけ探そうが見つかることはない。
あれから数時間が経った。そして、ようやく日が沈み始めた。
「ふはははっ!!我は魔王なり。さあ、ひれ伏すがいい!!」
<魔王が現れた>
「よし、決めた。魔王をひれ伏せさせよう。」
そんなことを決めて、フェイトは魔王との戦闘に挑むのだった。
「おい、そこの人間。我にひれ伏すがよい。」
もちろん、ひれ伏すわけがなく。
「.....こんなので、ひれ伏す奴いるの?」
不意にあった人は、ひれ伏すことがあるらしい。(都市伝説)
「ひれ伏さないということは、我に挑むということでいいのだな?」
「うん。そして、私にひれ伏せ。」
その一言に、魔王は思わず顔が引きつったが、冷静を装った。
「そ、そんなことが言えるのは今だけだぞ。」
「......あぁ、そう。そっちこそ、そんなことを言えるのは今だけだよ?」
そして、フェイトは生成で剣を生み出し、それを幻術で相手に見えなくした。
「何をしているんだ.....」
結果、魔王困惑。動揺を隠しきれていない様子。その隙に近づき魔王の腕をパスッと。
「っ!?」
「どう?私にひれ伏す気になった?」
あざ笑うかのように未だに動揺している魔王のもう片方の腕を切り落とす。
「っ!?おいっ、不意打ちをして楽しいか?」
「楽しいよ。すごく。」
「そうか。なら、不意打ちされても文句は言えないよな。」
生成魔法は、自分の手の中しか生成は出来ない。それなのにフェイトの頭上に無数の剣が出現する。
「.....不意打ちするって言ったらだめだと思うよ?」
フェイトは盾を生成し、それに水を纏わせる。
「ほう、全て防ぐか。」
そう強がっているが、魔王の心情は、(小さな少女が、何で?どうして?あれを全て防ぐ?そして、何故腕を切られた?)みたいな感じである。
感想やアドバイスを頂けると幸いです。