そうだ!冒険者になろう
「安心してください、手加減はしています。」
メイルの魔法は全てジェストにしっかりと命中した。
「当たらなかった......」
しかし、メイルの魔法でジェストが軽く飛んで行ったのでフェイトの攻撃は命中しなかった。
「フェイト.....気にしないで!!私が何もしなかったら当たっていましたよ!!」
「うん......」
メイルがフェイトを慰めていると、意識を失っていたジェストが目を覚ます。
「何するんだよ!!あと、フェイト。生成で作った剣は脆くても切れ味は普通の剣と同じなんだからな!!」
「だからどうしたの?」
何か問題が?とでも言うように質問する。
「胸に当たったらどうするんだよ。本当に死ぬぞ?俺。」
「何か悪いの?」
「いや、死ぬよ?俺、いなくなるよ?」
「うん、で?」
「え.....酷い.....」
急にフェイトがジェストに冷たくなった。ついでに、ごみを見る目にもなった。
「酷くないです。あんなことをしたのですから、当たり前ですね。」
そんなことをされても、いつも通りに接するメイル。流石心の広さ.....もしくは、一緒にいる年数が違う。
「あっ、近寄らないでください。」
訂正しよう、いつも通りじゃなかった。
「え.....もういいや。フェイトも魔法を覚えたし.....家帰るから。冒険者登録しておいてくれ。」
「わかりました。あっ、それと私一週間程度友達の家に泊まるので。フェイトと一緒に。」
そう言い残して、フェイトを連れて冒険者ギルドに向かって歩き出した。
「え~~~~~」
――――――
「おはようございます。」
勢いよく冒険者ギルドのドアを開けて、元気よく挨拶をする。
「もう夕方だけどな。それで、何のようだ?」
「あれ.....何の用ですか?」
流石のポンコツぶりである。
「冒険者登録。」
フェイトのフォロー。
「あっ、それです。それ。」
「おう。そうか。じゃあ、来てくれ。」
いつも通りなのだろうが、見事なスルースキルだ。
「何をするの?」
「ステータスを確認するんだよ。初めはもちろん簡単なクエストしか受けられないけど、一応どれくらいのクエストを受けられるか知るためだよ。これは、冒険者になっても定期的にするんだけど。」
これをしなければ冒険者になることは出来ないことになっている。
「「へ~~。」」
「まあ、説明はこれくらいにして、早速やってみようか。」
「うん。」
「じゃあ、これに魔力を集めてくれるかな。自分をイメージして。」
先に魔法を覚えたのはこのためだったりする。魔力を集める感覚を手に入れるために。
「うん。」
魔力を込めると、フェイトのステータスが浮かび上がった。