本領発揮
「「え?」」
メイル、ジェストの視界が一度完全に奪われ、そして、徐々に視界が戻ってくる。その驚き用からフェイトは成功したのだと察して、喜んだ。
「やった!!できたよ!!」
フェイトは二人が驚いているのは、自分が魔法を使うことに成功したから、と思っている。もちろん少しそのことについても驚いているが、二人が驚いているのはその効果である。
幻術魔法で視界を妨害するという魔法はジェストがフェイトに見せたように適性が低くても使える。しかし、視界を完全に奪うことは、適性が高くても中々できるものはいない。この国にも、一桁程度しかいないだろう。
「フェイト、すごいですね。」
「何が?」
もちろん、自分に使ったわけではないので、メイルの言っていることの意味が分からない。もし、自分の視界が完全に奪われたとしても、フェイトには意味が分からなかったとは思うが......
「初めてで、こんな魔法を使うなんて.....」
メイルは、こんなことを言っているが、初めてかどうかは関係ない。初級の魔法だから。ただただ、効果が高いだけである。
「あぁ、すごいな.....この効果は.....」
本当に驚いているらしく、メイルの発言をスルーする。
「へ~~、じゃあ、次は違うイメージを.....」
「おぉ、可愛いな。それ、ずっとやっておいてくれよ。」
そうして、ジェストはメイルを抱きしめる。小さくなったように見える。否、触り心地まで小さくなったメイルに.....
「なっナニするんですか?」
「何するって、こう、なんか、あれだよ。そう!!夫婦の触れ合いだよ。」
そう言って全く遠慮せずに撫でまわす。まあ、実際夫婦だし遠慮する必要はないのだが。
「何か、気持ち悪い。」
そして、メイルの姿を元に戻す。元に戻すのは力を抜くだけなので、フェイトにも簡単にできた。
「えぇ~~、何で元に戻したんだよ。こうなったら、フェイトを抱きしめるしか!!」
「ひぃ!!」
フェイトは身の危険を感じ、思わず悲鳴を上げる。
「おいコラ。ジェスト。何をしているのですか?私に何をしようがいいですが、フェイトに手を出すのだけは許しませんよ。」
「はっ!?殺気!!」
時すでに遅し。ジェストが気付いた時には、五つの巨大な魔法の球がジェストに向かって放たれた。そして、少しをくれて小さな魔法も向かってくる。ついでに短剣も。
ロリコン=紳士はっきりわかんだね。