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短編集 詰め合わせ

君を守るために俺は尻を叩く

作者: 忍者の佐藤

「高橋くん、さようなら」



 スマホにそのメッセージを確認した瞬間、俺は弾かれたように走り出した。何人かとぶつかった。掃除道具につまづいて転んだりもした。

 それでも俺は体の底から湧き上がる恐怖のような衝動を瞬発力に変え、全速力で屋上を目指した。

 部室棟から校舎へ走り抜け、屋上への5階ぶんの階段を3段飛ばしで登りきった。


「吉田!」


 肩で息をする俺の声は掠れていた。

 勢いよくドアを開けた俺に冷たい秋風が吹き付ける。思わず俺は目を閉じた。

 カラスがけたたましく鳴いている。吹奏楽部の練習する音も今は不気味に響いている。

 目を開くといやに綺麗な夕焼けが広がっていた。

 左右を見渡しても誰もいない。誰もいないようで、俺の方に一筋の影が伸びている。


 西日を受けた吉田の姿はシルエットのように浮かび上がっていた。この世のものとは思えないような美しさ、そして不気味さだった。


「おい吉田! よせ!」


 俺は半狂乱のように叫んだ。その姿がフェンスの向こう側にあったからだ。いくら俺が鈍感でも、彼女が何をしようとしているのかは一瞬で分かった。


「よくここが分かったね、高橋くん」


 吉田は不自然に頬を吊り上げて笑った。その目下には深いクマがあり、頬には涙の筋が夕日で光っている。


「勘だ。一週間前に初めて会った時も、お前はここで下を覗いていたからな」


 俺はゆっくりと吉田に近づく。


「近寄らないで!」


 彼女の声は力なく掠れていた。よく見ると彼女の制服はボロボロに刃物で切り裂かれていて、大雨に降られたかのように頭から水が垂れていた。あまりの酷さに俺は閉口した。先ほどまで彼女がどんな目にあっていたのかは容易に想像できた。

 すると先ほどまで険しい表情をしていた吉田が、いくらか柔和な表情になって話し始めた。


「私、嬉しかったんだよ。高橋くんは一週間前に転校してきたばかりなのに、いじめられてた私なんかを助けてくれたでしょ?」

「そうだ! これからだって助けてやる! 何度だって助けてやるから! だから! だから馬鹿な真似はよせ!」

「もう、遅いんだよ」


 片手がフェンスから離れる。

 どうしたらいいのか分からなかった。

 駆け寄ればその場でもう一方の手を離してしまいそうだ。かといってこの場で説得を続けても吉田には届かない。


「私はもう、人を信じることが出来ないの。私の心はぐちゃぐちゃに壊れちゃったんだ。もう元には戻らない。だけど、それでも最後に高橋くんに出会えて、本当に良かった。ありがとう」


 その瞬間、フェンスを掴んでいる手は無くなった。

 視界から消えていく吉田は満面の笑みで、

 キラキラと光る涙の粒を散りばめながら、

 紫色の空に倒れていった。


 俺がフェンスに到達する頃には既に、ついさっきまで生きていた人間が一人いなくなっていた。

 俺の手は震えながらフェンスを掴み、その場に崩れ落ちた。下にいた生徒たちの悲鳴が響いてくる。

 俺は拳を何度もコンクリートの床に叩きつけた。


「くそっ! くそっ!! なんで気づいてやれなかった! なんで止めてやれなかったんだ! 俺のせいだ……、俺のせいだ!!」


 血で滲んだ右拳を、もう一度叩きつけようとした時、誰かが腕を掴んだ。

 振り返るとそこには見知らぬ男が立っていた。着物を着て、頭にねじり鉢巻を巻いている。

 こんな体格のいい教師はこの学校にいない。俺がその正体について思案をめぐらしていると、男が思わぬことを言った。


「時間を巻き戻したくないか?」


 思いがけない言葉に俺はまじまじと男の顔を見た。がっしりとした体格に色黒の男は非常に迫力のある顔をしていた。しかし表情は穏やかに微笑んでいる。


「今死んだ女の子を、蘇らせたくはないか?」


 男は言葉を変えて、もう一度俺に問うた。


「巻き戻せるのか? 吉田を甦らせられるのか!? 出来るんなら何でもする! どうすればいいんだ!」


 俺は男の肩を掴んで揺すった。こんな怪しい提案、別のどの瞬間であっても信じたりしなかっただろう。だが今は、それがどれだけ怪しい手段であってもすがりたい気持ちだった。


「条件はないが、ルールはある」

「ルール?」

「一つ、今から10分前にしか戻せない。そしてもう一つ。何度でも時間を戻すことは出来るが、次もその時間軸にしか戻せない。それでも、時間を戻すか?」


 俺は袖で涙を拭い、もう一度男の顔を見据えて言った。


「戻す!」




【2回目】



 男が指を鳴らした瞬間、俺の体はふわりと宙に浮いた感覚とともに暗闇に包まれた。思わず目を閉じ、もう一度目を開け辺りを見渡すと、そこは屋上へ向かう前に寄っていた部室の中だった。自分の拳に目を向けると、先ほどまで血まみれだったのが嘘のように傷が消えている。どうやら本当に戻って来たようだ。


 なお、俺の目の前には尻があった。固そうな男の尻である。


「さあ高橋くん、早く叩きたまえ」


 その言葉で全てを思い出した。先週転校してきたばかりの俺は今日、友達の誘いを受けて「尻叩き部」の体験入部に来ていたのだ。互いに尻を叩きながら、その音とリズム感を競う「ケツリズム」の世界大会を目指す部活だ。

 友人の話では、可愛い女の子の部員が何人もいて、毎日尻を叩いてくれるという触れ込みだった。

 ところがどっこい。ワクワクしながら部室に入ると男臭い汗の匂いが充満しているではないか。中には平均体重78kgはあろうかというガチムチの男たち。女子の影は一つもない。騙されたのだと気付いた俺はすぐに部室を出ようとした。

 だが「一回だけでいいから! ひと叩きするだけでいいから!」と頼み込まれ、ヤケクソで一度だけ男の尻をしばいた後に吉田からのメールが入ったのだった。


「やってられるか!」


 俺は尻に背を向け、素早く部室を出た。

 俺は弾かれたように走り出した。さっき屋上に走った時と同じタイミングで人が歩いてくる。同じ場所に掃除用具が置かれている。

 俺は危うくぶつかりそうになりながらも、それを避けながら全速力で廊下を走り、三段飛ばしで屋上へ登りきった。


「吉田!」


 しかしそこに吉田の姿はなかった。代わりに下のグラウンドの方から女子の悲鳴と、俺をあざ笑うかのようなカラスの鳴き声が聞こえてくるだけだった。


「嘘だろ……!」


 俺はフェンス際に駆け寄って恐る恐る下を覗いてみた。あまりの光景にもどしそうになって口を覆う。

 なんでだ……? 俺は絶対にさっきより早くここに到着したぞ。それなのに、なんで吉田はもう飛び降りているんだ。

 ハッとしてスマホを確認して気付いた。最初の時間軸では届いていた、吉田からの「高橋くん、さようなら」とういメッセージが届いていないのだ。理由は分からない。だがこれで終わりではない。吉田の飛び降りを阻止するまで、俺は何度でも過去に飛び続ける!


「時間を巻き戻すか?」


 いつの間にか俺の後ろに立っていた男が呟くように言った。


「巻き戻す!」



【3回目】



 俺の目前には相変わらず、固そうな尻があった。


「さあ高橋くん、早く叩きたまえ」


 俺はかかとを軸に向きを変えると、一目散に走り出した。先ほどより上手く人を避けることが出来る。障害物も軽々飛び越えられた。間に合う。このスピードなら確実に間に合う!


「吉田!!」


 しかし吉田の姿は無かった。先ほどと同じように、夕日の中女子の悲鳴とカラスの鳴き声が響いているだけだ。

 俺にはもうフェンスの下を覗く勇気はなかった。


「……なんでだ? どうして、吉田は飛び降りてしまったんだ? クソっ!」


 まだだ。諦めるな。何度だってチャンスはある。


「時間を巻き戻すか?」

「戻す!!」


 俺は男の声に即答する。



【4回目】



 ケツである。とても固そうな男のケツである。

 俺は素早くスマホを取り出し、高橋当てにメッセージを送った。「今そっちに行くからまだ飛び降りるな」

 そして俺は走り出した。もはや廊下を歩く人々が止まって見える。

 俺は巧みにその間をすり抜け、飛び、くぐり抜け、がむしゃらに階段を駆け上がった。疲れもリセットされているはずなのだが、気持ち的な疲労は蓄積されているようだ。


「吉田!!!」


 しかし吉田の姿は無かった。先ほどと同じように、夕日の中女子のキャーキャーいう悲鳴とカラスのカーカー鳴く声ががががががが。

 俺は愕然として座り込んだ。なんでだ。何がいけなかったんだ。1回目と今までの違いは一体何なんだ。確認のためスマホを見ると、吉田からの返信が来ていた。

「先に行くね」

「先に行くね、じゃねえ! お前のせいで何回男の尻と向き合う羽目になってると思ってやがる!」


「さて、時間を巻き」

「戻す!!!」

「ヒントを与えよう」


 思わぬ一言に男の方を見た。そこにいたのは先ほどと同じ男だった。しかし様子が違う。

 ねじり鉢巻は変わっていないが、着ていた着物を脱ぎ捨て、ふんどし一丁のほぼ裸状態であった。


 正体を現したわね。


「高橋よ。お前の『ある行動』がトリガーとなって、お嬢さんが飛び降りるのを躊躇させていたのだ。それが何か考えてみろ」

『ある行動……?』


 なんだ? 分からない。俺が何か特別なことをしたというのか? 思い出せ! 必ず何かあるはずだ。吉田に会えた時にはやって、会えなかった時にはやらなかったこと……。

 その時俺の脳裏を尻がよぎった。

 ほぼ同時に男が指を鳴らし、視界が暗転する。



【5回目】



 目の前に尻があった。それはまるで悠久の時を経て存在する苔むした岩のように、もしくは決して振り払えない呪いのように、ただただ俺の前に在った。


「さあ高橋くん、早く叩きたまえ」


 無言で腕を振りかぶる。

 これで吉田を助けることが出来るなら…叩く。何度だって叩いてやる。

 パァン! という乾いた音が響いたと同時にメッセージのブザー音が鳴った。「高橋くん、今までありがとう」

 これだ! 尻だ! 尻を叩くことがトリガーになっていたのか!

 俺はその瞬間走り出した。廊下を走りぬけながら、どうにか尻の残像を打ち消そうとした。しかし脳裏にこびりついた映像と音が強烈すぎて決して離れることはなかった。


「吉田ぁ!!!」


 勢いよくドアを開けた俺の前に、吉田がいた。すでにフェンスの向こう側にいるのだが、なんとか間に合ったようだ。吉田が生きているだけで俺は泣き出しそうだった。


「よくここが分かったね、高橋くん」

「5回目だからな」

「?」


 首を傾げている吉田に近づいていく。


「近寄らないで!」


 ここで近づくか近づかないかが分岐点かもしれない。最初は躊躇して吉田の命を救えなかった。ここは、怯まず近づく!


「近寄らないでって言ってるでしょ! 私、トイレの水をかけられたの! 高橋くんに臭いって思われたくないの!!」

「うるせえ俺だってさっき男の尻叩いてきたところだオラぁ! これでイーブンだろ!!」


 しかし、吉田はフェンスを掴んでいた手を、同時に離してしまった。涙の粒を散らしながら、その顔は俺の顔を見据えてドン引きしているようだった。


「吉田あああああああ! そんなに俺が気持ち悪かったのかあああああ!?」


 ここで当然のように現れる男。

「さて、時間を」

「巻き戻ぉす!!」



【6回目】



 目の前に尻を認識した瞬間引っ叩いていた。

 それは肉食獣が生まれながらに獲物を狩る本能を持っていることに近かった。

 自分のスマホが鳴っているのも無視して俺は走り出した。これで最後だ。男のケツを叩くのはこれで最後だ。と言い聞かせながら。


「吉田ぁ!!!!」


 息を切らして半ばヤケクソに叫ぶ。


「よくここが」

「うるせえ何回目だと思ってやがる!!!」

「……なんで怒っているの?」

「怒ってないもん!」


 ここで俺は自分が尻を叩きすぎて過度のストレスを感じていることに気づいた。駄目だ。ここで冷静さを欠いては助けられる命も助けられない。今までは感情に訴えすぎた。俺の独りよがりな正義感が鬱陶しかったのかもしれない。


「吉田……辛かったよな? 俺も(男の尻を叩くのが)辛かったよ。だけど一緒に」

「もう、遅いんだよ」


 吉田は片手をフェンスから離す。


「ちょっと待て! なに締めに入ろうとしてやがる!」


 俺が慌てて近づこうとした瞬間、吉田はフェンスを持っていた方の手も離してしまった。


「くそったれえええええ!!!」

「じ」

「巻き戻ぉおす!!!」



【17回目】



 尻。叩。乾音。

 廊下走。階段駆上。


「ぃ吉田ぁああ!!!」

「よくここが分かったね、高橋くん」


「死ぬのはやめるんだ! 俺の全財産の三千円やるから!」

「さようなら」


「吉田ぁああああああ!」




【35回目】



「尻オラァ!」

「んほお! 高橋くんの手、強すぎぃ!」


「やはりな、高橋くんには天性のケツリズムの才能があるよだ。ぜひ入部を」

「お前のケツもオラァ!!!」

「アァオ!!!」


「吉田オラァ!!」

「さようなら」

「ワアアアアアアアアア!!」




【777回目】


「人はなぜ尻を叩くのか」

「それは生まれながらの欲求だから」

「創世記にもアダムとイブが尻を叩き合うようすが描写されている」※そんな描写はありません。




【3372回目】




「よっしださーん」

「よくここが……って高橋くんなんか明るいね」


「はい一発ギャグやります」

「えっ?」

「一発ギャグ『普通に道を歩いていたらシカに遭遇した人』」

「……」

「うおおおおお! 鹿がおるううううううう!!!」

「さようなら」


「吉田ああああああああああ!!」





 6884回目



「おい吉田ぁ!!!」

「よくここが……なんで怒ってるの?」

「ああ怒ってるよ! 悪いか! お前のせいで何回ケツ叩くことになったと思ってやがる!!! パンパンパンパンよぉ!!」

「ちょっ、高橋くん、怖いよ……!」

「お尻の達人か俺は!! もしくはパン屋さんか!!!」

「意味がわからないから死ぬね……!」


「くっそ次ぃ!!!」




 8148回目




 パァン!

 オオン!

 ダダダダダッ!

 ヨシダァ!

 カー!

 ピャーッ!

 キエーッ!!!(三回転半)





【9999回目】




 親の顔より見た尻がそこにはあった。


「さあ高橋くん、早く叩きたまえ」


 俺はスナップをきかせ、ムチのようにしなる腕で尻をしばく。


「痛ぁ!! 高橋くん痛いよ! 尻が割れちゃうよ!」

「もう割れているでござるよ!」

「そうだったね! ガハハハ!」


 部員たちの地獄のような会話を聞きながら俺は全速力で屋上を目指した。自分の生まれた川を目指すシャケのように。

 屋上の扉を開けると、吉田はまだ飛んでいなかった。



「おい吉田ぁ!!!!!!」

「よくここが分かったね、高橋くん」

「お前に俺のすべてを!! 今までの蓄積を!!! ……9999回分の集大成を見せてやる!!!!」

「えっ?」



 俺は吉田に尻を向けて座り込んだ。


「えっ、何!? 何なの?」



「三三七拍子!!」

「え?」

「パンパンパン パンパンパン パンパンパンパンパンパンパン」←己の尻を叩く音。


「やめて!」

「パンパンパン パンパンパン パンパンパンパンパンパンパン」

「やめてよ! 私は美しい思い出に浸って死にたいの!」

「パンパンパン パンパンパン パンパンパンパンパンパンパン」

「最後までかっこいい高橋くんのままでいてよ! やめてったら」

「パンパン」

「お尻の音で返事しないで!!」


「お前が飛び降りるのをやめるまで!!! お尻叩くのをやめない!!!!」

 夕日の沈みかけてた屋上には、ただひたすら俺が尻を叩く音が鳴り響いた。やがて目に涙をためた吉田は、ゆっくりと言った。


「分かった。死ぬのやめるから、お尻叩くの、やめて」




 ――正解は、尻を叩くことだったのか……。




 フェンスをまたいで戻ってきた吉田を、俺は強く抱きしめた。もうそれ以外のことが考えらえないくらい吉田が愛しくてたまらなかった。


「もう、絶対に飛び降りなんかするなよ(尻を叩くのはもう嫌だから)」

「高橋くんも、もう絶対にあんなことしないでね」



 そういえば、俺に時間遡行をさせていたあの男は誰だったんだろう? あいつのせいで死ぬほど尻を叩くことになったが、あいつがいないければ吉田を助けることはできなかった。……もしまた会うことがあれば、礼を言おう。



 そうして俺は、尻を叩く恐怖を振り払うかのように、日が暮れてもしばらく吉田を抱きしめていた。




 おわり


お読みいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやあ、面白い。 描写が旨いですね。 才能ありますよ。
2019/06/09 19:57 退会済み
管理
[一言] よくこんな話思いつきますね(褒め言葉)
[良い点] 活発な尻叩き部の様子が、ありありと脳裏に浮かんでくるようです。 [気になる点] もっと読んでいたい、もっと尻叩き部を深堀りして欲しい。そんな印象を持ちました。 [一言] 私も高校生時代は尻…
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