4/4
統治のための詩文
空海は、嵯峨天皇時代、
律令国家の本質の中で、密教僧であること
そのことと、国王と国家との対決と
調整に傾いていた
高野山に金剛峯寺、京都の地に東寺
を、嵯峨天皇の支援の力で
建設もしている
その中で、嵯峨天皇と空海を結びつけた
もの
それは、中国から学んだ、詩文
仏教の経典・書
であった
嵯峨天皇に向かい、空海が中国詩文から
編纂した[文鏡秘府論]
により、韻律論や用声、用字、句格
体勢などの論題が挙げられたが
本質的な、意 の問題は
心中の憤気を解き放つところ
文は 心のうちに感動がおこる時にかかれる
という、空海がすでに、[三教指帰]
で、説いた、意による魂の静寂、
すなわち、詩経験における魂の加護を
祈っている、という真言密教の実戦でもあり
百姓、人民を慰撫して治めるには
君子の統治、文章をもって
根幹としていた