2/4
空海の平安期における仏教での思惑
平安期における
仏教(真言宗)は空海の詩世界による
問答を中心とし、天皇に働きかける
それは、[秘密曼荼羅十住進論]
における、人間の心
を、記した、善悪・美醜・真偽・幽明
の境界と魂のあり方・運命がどう、人間に
関係しているのか?
という問答であり、
その後、十住進論は、[秘蔵宝鑰]
という、十住進論の所謂、意訳
略本の中で流布されていくが
秘蔵宝鑰の中には、仏教の詩世界における
言語による統治を、儒教の教えから
付け足し、
天皇と政治に関する距離を仏教側から
求める動きがあったのではないか?
と、考えられ
それは、空海が、
意識の表面に浮かび上がる 心 を
顕教(言語で解説できる教え)
と、深層の 心 を、密教(言語を超えた教え)
と称して
晩年、悲願の願いであった
宮中に[真言院]という密教道場
を開設し、総合的な統治の形を
仏教でとろうとした思惑があったのではないか?
とされる