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第六話 第二試合 短槍



「ただ今戻りました。ご主人様!」

「あぁ、おかえり。よくやった……と言いたいが、最後のはちょっと妬けたぞ?」

「ふふっ。申し訳ありません」


ロープ越しでもわかるくらいに上機嫌に尻尾を振っているノフィティスを労う。

ただ周囲からは奇異な目で見られているが、なんでだろ?


「の、ノフィティス殿!」


そんな中を慌てた様子でギルド長が駆け寄ってきた。

ぜぇーぜぇーと肩で息をしているけど、ギルド長。自分の歳を考えないと倒れますよ?


「一体……一体彼らに何をしたんじゃ?!」


恐怖と怒りが入り混じった表情で怒鳴ってくるけど、耳は良い方だから聞こえますって。

俺はノフィティスを背中に隠すような位置でギルド長の前に立ちはだかる。


「何をした?貴方は何を言っているんですか?」

「じゃからっそれを聞いておるんじゃ!ノフィティス殿は一体何をしたのかと聞いてとるんじゃ!」

「どうしたも何もありませんよ、ギルド長。彼女は貴方の言った通り彼女はただ戦って勝っただけです」

「お主はアレが戦闘だというのか?!」

「はい、そうです。先程から何を言っているのですか?」


目の前で起きた事実を受け入れられないのか、それとも恐怖で受け入れようとしないのか。俺たちにとってはどうでも良いことだが。

それにしたってこのギルド長の動揺は半端ないな。

戦闘に置いて毒を使ったから卑怯だとでもいうのか?非人道的だとでもいうのか?

そんなまさかね。

子供の遊びじゃないんだからそこまではいうまい。

こっちは私刑に近い形で挑んでんだからな。


「彼女は今まで通り、森で暮らしていた時と変わらない戦闘を行ったに過ぎません。ただ獲物が獣から人に変わったので多少は手加減していますが、それだけです」

「……分かった、じゃがあとで何をしたのかきっちり説明してもらうぞい。次はナナシ殿の出番なので早々に支度をしとくれ」

「了解しました」


まだ何か言い足りないといった様子で渋々とギルド長は引き下がっていく。

一体何がそんなに不満だったのやら……まぁなんでもいいか。

それはそうと俺もさっさと終わらせるとしようかね。


「そんじゃ俺も行ってくるかね」

「はい。行ってらっしゃいませご主人様」

「あ、そうだ。昼飯何食いたい?」

「え。それ今聞く事ですか?」

「飯より大切なことはない」

「……そうですか。それなら街道の方で色々な出し物をやってるようなのでそこで決めたら良いと思います」

「お。そりゃ良いな。んじゃとっとと終わらせて飯に行こうか」

「お気をつけて」


深々と頭を下げるノフィティスに片手を上げて俺は闘技場の方へ向かって行った。

その様子をギルド職員のみならず、相手チームにも見せながら。





闘技場に立つと乾いた風が流れ、周囲には緊張の面持ちで見守る観客が眼に映る。

俺の武装は相手チームに比べたらごく僅かだ。

牙狼の瞳の面々が着用する絢爛豪華で重厚な全身鎧も鋭利で攻撃性に特化した武装もない。

あるのはお手製の短槍とミニクロだけだ。

戦力差は誰がどう見ても歴然だろう。しかし先の一戦でノフィティスが行った試合を見ていた観客は勿論ギルド職員や牙狼の瞳のメンバーからは余裕の色はなく緊張した張り詰めた空気が辺りを支配していた。


俺はもう一度彼らの武装を遠目から見て「羨ましいな」と無意識のうちに呟いてしまう。

突然この世界に来て訳もわからず生と死の狭間を行き来してきた俺からしたら彼らの着用する武具だけじゃなく、支え合ってくれる仲間がいる事にすら嫉妬すら覚えてしまう。

これまで何だかんだと言いながら生きてはこれたが、それでも毎日不安で仕方なかった。

獣に怯え、蟲に怯え、毒に怯え、いつ死んでもおかしくない恐怖に駆られた日々は生きた心地がしなかった。

いや、本当はもう既に死んでいて俺は夢を見ているだけじゃないかとすら思ってた。

だが、ビィドと出会い。ノフィティスと出会ってから俺の心に僅かながらも安らぎが生まれた。

たぶん本当の意味で俺はまだ生きているんだって実感できた。


俺にとってビィドやノフィティスはただの仲間じゃない。

家族だ。血どころか種族すら違うが、俺はあいつらを最愛の家族だと思ってる。

それなのにくだらない理由でノフィティスを蔑み侮辱する奴を許せるはずがない。許せるわけがない。

俺の心に安寧をもたらしてくれた子供に暴言を吐く奴は誰であろうと知ったことか。必ず叩き潰してやる。


自分の中でふつふつと湧き上がる怒りを抑えて正面を見据えるとそこには一様に怒りに顔を歪める牙狼の瞳の面々が此方を睨んでいた。

そりゃそうだ。そうなるようにしたんだからな。

大事な試合の前に。それも直前だというのにこの後の昼飯の話なんてのを相手チームがしていたらこちらを侮ってるとしか思えないだろうからな。


試合前の挨拶を交わした時に見せたリーダーのヴァゼンの態度は明らかにこちらを舐めていた。いや、それだけならまだ良い。

新参者の俺たちが突然現れて熟練である自分たちよりも実力があると言われたら気にくわないのも当然だ。

だから舐めきった態度でいようとそれくらいなら許せた。

けれどノフィティスの姿を見せた時のお前らのあの態度。

蔑み。見下し。汚物でも見るようなあの態度。それを俺が許すはずないだろう?


だから俺はあいつらを挑発した。

人間の最高のコンディションを一瞬にして整え、一丸となって全力で俺を殺しにくるようにそう仕向けた。

その上であいつらを完膚なきまでにボコって屈辱を植え付けるために。


『それでは第二試合!はじめえぇえっ!!』


開始の合図と共に牙狼の瞳の面々が突撃してくると思ってたが、前衛の三人が後衛の二人の盾となるように防御陣を敷いていた。

ん?なんだ、アホみたいに突っ込んでくると思ってたけど……何やってんだ?

目を凝らしてよく見ると後衛の二人が魔法職らしく何かの詠唱を始めていた。

この世界の魔法に関してはい知識がない。ここは出方を見たほうが良いかな。


俺は短槍をくるくると回すと槍衾を地面にさして槍塚に両手を添える。完全に待ちの姿勢だ。

それが相手の神経を逆なでしたのか睨みつけてくる視線がより強いものとなった。

こんなんでも怒ってくれるとかどんだけ単細胞なんだよ、よく銀まで上り詰めたな。

ついでにダメ押しと言わんばかりに片手を上げて指でくいくいっと手招きしてやる。


「あの野郎っ!」

「ふざけやがって……」

「殺しても良いんですよね?隊長」

「もちろんだ」


怒りの燃料が加速度的に燃え上がってくのが分かる。

はははっ面白ぇー!漫画でよくこんなシーンがあるとキレてくれるのがあるけど、リアルでも通用するとは思わなんだ。

……さて、それじゃ俺も戦闘態勢に入るとするかね。

魔力だとかそーいうのはよくわからんが、何となく空気が萎縮して張り詰めてる感じがする。

こういう時は油断しちゃダメだ。今までもこんな空気がした時は大抵ロクなことがなかったからな。


俺は槍を構え直すと敵主力のリーダー。

ヴァゼンを見据える。





「……ご主人様ったら、いくらなんでも遊び過ぎです」


観客席の一つで私はビィドの背に乗って闘技場を見下ろしていた。

そこには明らかに相手を挑発して楽しんでるご主人様の姿があった。

ご主人様に拾って頂いたあの時からご主人様は常識とはかけ離れた行動しかしてこなかった。だから突然相手を挑発するご主人様を見ても大した驚きはない。

案の定、相手チームを見ると思った通り今にもその手に持った武器を振り下ろさんとばかりに怒りに震えている。

空気がピリピリと張り詰め視線を走らせると相手チームの魔法師二人が魔法を発動させた。

一人は蛇のように唸る四つ火炎球を、一人は人の胴体ほどある円錐型の岩をご主人様目掛けて放つ。

ドクンッーーその瞬間心臓が跳ね上がる程胸の奥から怒りに似た憎悪が込み上げてきた。


「……はぁ、解ってても抑えきれるものじゃないですね」

「グルルゥッ」

「ダメだよビィド。私も言えた義理じゃないけど、ここで暴れたらご主人様に迷惑がかかるからね」

「グゥ……」

「大丈夫。私たちのご主人様があんなのにやられる筈あるわけないじゃないですか」


よしよし、と頭を撫でて逆立った毛皮を丁寧にほぐしてやる。

いけませんね。これもご主人様の影響でしょうか?

頭では理解していてもご主人様に害をなす物を見ると果てしなく心の奥底から怒りが湧いて来ます。

というか、この町に来てから私もそうですけどずっと苛々が止まりません。

自分の事が言われるのは慣れているというのもありますけど、ご主人様やビィドの事で忌避する視線やちらほらと聞こえる侮辱の言葉はどうにも耐え難いものがあります。

あぁ……早く森に帰りたいです。


そんな事を思っていると闘技場では獅子王が放った魔法が途中で変化しました。

四つの火炎球は吸い込まれるようにご主人様に向かって行きますが、岩の方は途中で勝手に爆散したかと思うと無数の(つぶて)になり、隙間なくご主人様に襲いかかります。


初めてみる魔法に驚き関心してしまいますが、それだけです。

森の奥地には(つぼみ)の様な植物いくつもあり夏になると藍色をした綺麗な花を咲かせますが、蕾の状態でうっかり触れてしまうと中の水分が一気に弾け出して全方位にあの礫よりも極小で数倍の量の種を飛ばしてくる植物があります。

それが体内に入ると種は芽吹き宿主の養分を吸い取って赤黒い花を咲かせて枯れていきます。

余談ですが、藍色の花は花粉の代わりに思考を鈍らせ徐々に体内の水分を蒸発させる毒を放ちます。

香りはとても良いので洞穴にいくつか飾らせて頂きました。


そんな植物に比べたらあの程度の礫。私たちにとっては何でもありません。

現にご主人様は最初に飛来した火炎球と共に礫を全て避けきっています。ただ遊ばれているのか避けるたびに一つ一つ奇妙なポーズをとっているのは何故でしょう?

まぁご主人様のやることにいちいち突っ込んでいたらそれだけで疲れますから気にしない様にしましょうか。


全て回避し終えると何故か獅子王の中で動揺の声が上がっています。


「おい、なんだよアレ」

「嘘だろ……あれを全部避けたってのか?!」

「おいおいおい、ふざけんなよ!あんなふざけたポーズ決めてた奴に俺の魔法が……そんなわけねぇだろ!?」

「狼狽えるなっ!単なる偶然に過ぎんっ次の詠唱を急げ!」

「は、はいっ!」


気持ちは分からないこともありませんが、余り言葉が過ぎると殺しますよ?

私もここで暴れたくはありませんのでそろそろ自重して頂けると助かります。

獅子王の面々を睨みつけていると、ご主人様が動き出しました。真正面からの突撃です。

ご主人様の最高速度は正直私でも目で追うのは困難な程速いですが、相手をいたぶる気満載なようでゆっくりと走っています。

それに対して獅子王の前衛はそれぞれ盾を前に出し防御陣形を整えていましたが、真ん中の一人がそこから抜け出すとご主人様に一騎打ちを挑んでいます。

どうやら魔法が完成するまでの時間稼ぎをしているようです。

そんな事をしなくても後一、二回までなら今のご主人様は凄く優しいので魔法を詠唱させていただろうに……。


ご主人様の相手をするのは盾とあれは恐らくメイスと呼ばれる武器でしょうか?

先端が球体状になりその周囲に棘が付いた殴打武器のようです。森を出るずっと前にご主人様から教えて頂きましたので間違いありません。

メイス使いの方はご主人様に攻撃を仕掛けていきますが、鏃で軌道を簡単に変えられていってます。

上段からの振り下ろしは勿論。左右からの横殴りも、蹴り技も全てかわされるか軌道をずらされていってます。

徐々に体力が減って来ているのか、最早肩で息をするほどぜぇーぜぇー言っていて見ていて哀れになります。


するとご主人様は徐に槍を地面に突き刺すと拳を突き出して構えを取ります。どうやら武器は不要と判断したようです。

更なるハンデとしてご主人様は武器の使用を放棄したようですが、それはハンデとなるのでしょうか?

あくまでも個人的な感想ですが、たぶん武器を使われるよりご主人様は拳の方が強い気がします。

あくまで個人的な感想ですが。


それに怒ったメイス使いは怒りに我を失ったのかがむしゃらにメイスを振り回し出しました。

そんな出鱈目な攻撃ではご主人様に傷をつけるどころかカスリもしないはずなのに……流石に可哀想になったのか、そのまま避け続ければ相手の体力は底を尽き自滅するはずなのに、ご主人様は振り下ろされたメイスを避けるのではなく逆に前進してメイスを持つ腕に自分の左肩をぶつけさせて攻撃をキャンセルさせると、肝臓・胃・肺・喉へと掌底を叩き込んでいきます。

普通に殴るのだと相手は一応とはいえ鎧を着込んでいるから威力は期待できませんが、掌底なら上手く入ると衝撃がそのまま体内に響いていくので効果はあるのでしょう。

メイス使いはそのまま倒れてしまいました。


その光景を見ていた倒れた人の仲間たちは呆然としていましたが、直ぐに正気に戻ると完成していた魔法を発動して先ほどと同じ火炎球と礫の攻撃をしました。

それを見たご主人様は待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべると倒れた人の腕にあった盾を拾い上げると……それを捨てて倒れた人の身体を起こして自分はその後ろに隠れました。

あぁっなるほど!ご主人様はこれを待っていたのですね!


「ギィヤアアアアアアアアァァァアッ!!」


闘技場全体に響き渡る程の絶叫が観客の顔色を悪くさせ、魔法を放った人達はショックで膝を屈しています。

これはなんとも愉快な光景ですね。ご主人様の言っていた『びでおかめら』なるものがあったら永久保存しておきたい光景です。

魔法の集中砲火を浴びた場所は土煙に覆われていましたが直ぐに晴れるとそこには前進血だらけ穴だらけのボロボロになった獅子王のリーダー。ヴァゼンがいました。

鉄兜(ヘルム)のせいで顔がわかりませんでしたが、メイス使いはヴァゼンだったのですね。最早どうでも良いですが。

私にとって重要なのはそのボロボロになって気を失った男よりも、その男の首根っこを掴んで満面の笑みを浮かべたご主人様の方が重要なのです。


「て……テメぇよくもウチのリーダーをっ!!」

「許さねぇっ!殺してやるっ!」


ギャンギャンと頭を潰されたというのに吠えている輩がいますが、吠える前にその震えてる足をどうにかしたらどうでしょうか?

そもそも……。


「なーに言ってんだテメェら?トドメを刺したのはお前らだろう?仲間がいるのに魔法を放ったのはテメェらだ。俺のせいにするんじゃねぇよ」


と、ご主人様が全く同意見の事を言ってくれたのでちょっとスッキリしました。ありがとうございます。

尚も怒り狂った血気盛んな方は無謀にもご主人様に突撃していきますが、ご主人様はその方に近づいて振り下ろされた剣とは反対側に回り込んで首絞(チョーク)めを決める素振りをすると何かを囁きました。

するとその方はガクガクと痙攣したかと思うと立ったまま一歩も動けずに固まってしまいました。

ご主人様はそのまま首絞めを解くとその方を放って後方で未だ動けない三人の元へ行って文字通り、蹂躙しました。


「やめ、やめてくるぅ……ぉぇ」

「た、ただただたすけっ助けて……」

「あ……あぁ…ぁ………」


静かに、そして速やかに一人ひとりを丁寧に首を絞めてたり鳩尾を殴ったりして無力化すると先ほどの立ったまま固まっていた方の元へ戻ると再び何か囁きました。

そしてその方の肩を叩くとまるで暗示が解けたかのようにゆっくり動き出して仲間の方を振り返り


「あ……アァアアアあああアァアアッッ!!」


絶望して尻餅をつくと這いずるように倒れた仲間の元へと駆け寄っていった。

最早誰がどう見てもこのまま戦闘が続けられる状況ではないのは明白なのにギルド長は勝利宣言を忘れているようで闘技場を見たまま惚けています。

仕方なく私はギルド長の下まで行くと「ギルド長」と声をかけました。


「うあぁっ?!な、な、なんじゃノフィティスどの」


何をそんなに驚いたのでしょうか、私の方は方がびっくりしましたよ。

あ、ご主人様の試合に魅入っていたのでしょうか?それでしたら悪い事をしましたね。


「驚かせてしまい申し訳ありません。ですが勝利宣言をして頂かないと、彼らの治療も出来ませんから状況が動かないかと」

「あ、あぁ。そうじゃな。すまんかった」


ようやくギルド長が重い腰を上げて壇上に立つと魔法で声を拡張させて勝利宣言をする。


『勝者は死の風のリーダー・ナナシッ!治癒魔法を使える者は全力で対戦者である獅子王の治療に専念せぇっ!』


勝者宣言と同時にそれまで控えていた魔法師達が一斉に倒れた獅子王の面々に治癒魔法を施していく。

そんなに急がなくても死にはしませんよ。きっと。

ご主人様はその辺の調整はとても上手ですからね。


それにしてもご主人様は彼に何を囁いたのでしょう?

まぁどうでもいい事ですね。なんて言ってもご主人様はあんなにも楽しそうなんですから。



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