30年ぶりの再会!-その2
それから奥さんが大好きだったカラオケに行って歌った。
彼も歌いなれていて安心できる。
ところがどの歌も皆EMIKOさんにつながってしまう。
吾亦紅、冬隣、喝采、北の蛍。
最後に五番街のマリーを大声で合唱した。
特にEMIKOが好きだった唄。
「一人住まいで就活中だったら京都で探せばええやないか?」
「和歌山から移した立派な墓があるから動かれへんのや」
「自分の代で途切れるんやったら墓じまいして京都に来いよ」
「そやな、息子3回忌に来へんかったしな・・・ええ子やのに」
「そうか・・」
「できかかってたのに中絶したんや息子のこと思うて」
「なんやて。後悔するで絶対」
「みんなで決めたんや」
まてまてまて、頭がこんがらがってきた。
連れ子でも後に子ができてそれでもうまくいってるとこいっぱいあるやん。
愛し合ってたんやろう?わたしはどうなるの?と水子が叫ぶ。
まてまてまて、ようわからん?それから3っ日3晩考えた。
が、結局わけわからんままだ。念仏無間とはよく言ったものだ。
間断なき地獄の連続。いくら自分に言い聞かせても、
命や魂までもはだましきれない宿業の業火。
この日から私は再びすさまじい題目を上げ始めた。