7.17 30年ぶりの再会!-その1
TT君と30年ぶりの再会だ。高雄の駐車場、今日も暑い39℃。
すぐに分かったホンダのフィット。木陰の下だ。
「おう!」ドアを開けて彼は出てきた。冷えた缶コーヒーを差し出す。
「免許取ったんだ」
「松林さんに無理やりバイクに乗れと言われたあの時から」
事故の後遺症で右足を引きずって歩いている彼に、そんなもん気にせんと
免許取れ、とみんなの前で無理やり乗せたことがあった。
「変わらんなあ自分も!胸毛も、もろ見えやで。
飯食いに行こう家の近く、ワンコインで定食が食べられる」
「よっしゃ、あとついていくわ」
定食屋では彼一人しゃべりまくっていた。
2年半前に奥さんを亡くしたこと。
とても奥さんを愛していたこと。
亡くなる7か月間毎日会社と病院を行き来していたこと。
幸せそうな死に顔でみんな驚いていたこと。
自分は最後の最後まで彼女に尽くせたこと。
満足感はあるが、やはりとても悲しいということ。
そうかそうか、これはじっくり聞いてやるしかないな。
場所を代えてガストでかき氷。写真を持ってきた。
「懐かしいなあの頃の写真や?」
「これ息子」
「そや、小さい子がいた」
「今はこんなや、結婚して姫路にいる」
「そうか、まごは?」
「まだや」
「あれ、おまえの子は?」
「それがあかんかったんや...」
「そうか、じゃもう聞かんとこ」