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6.28 ポーランド戦
ポーランド戦は不思議な戦いだった。戦いになっていなかった?
1点ビハインド。このままでは2位に入れない。決勝進出は絶望的だ。
ところがセネガルが1点取られたことで状況が急変した。同時試合
のため観客にはわからない。西野監督に長谷部キャプテンが呼ばれた。
「攻めるな!ミスをするな!セネガルが一点取るまでは」
得点勝ち点ともに同率でイェローカードで2枚上回っているだけだ。
観客にはわからない。日本は攻めない。そのうちブーイングが起こり始める。
向こうの選手たちもわかり始めた。一部の観客にも。ボールはついに
センターを割ることなくホイッスルが鳴った。日本の選手たちは
サポーターに頭を下げた、監督曰く。
「戦略上楽しい試合をお見せできずにすみませんでした!」
そうして僅差で日本は決勝トーナメント進出が決まったのだ。
このことは今の組織にも全く当てはまるような気がしてならない。
偶然の出来事とは今の私にはとても思えないのだ。
じっと我慢の期間。事態が熟成し落ち着くまでの半年。
必ずやその先には勝利の歓喜が待っているはずだから。