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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
2章 目指せ! この世のてっぺん、ユイドラシル!
8/59

ちっぽけな虚栄心

「これで……とどめだ!」

 ユルゲンスが右手を振りかざし、詠唱を行おうとしたその瞬間……


「背後から攻撃なんて卑怯じゃねーのか? おい?


――《黒槍突衝》(ブラックブラウニー)」


 横から槍が飛んできた。まさに横槍が飛んできた。彈野原がユルゲンスに向けた一撃だった。


「とっておきだ! 逃がさねえぜ!


――《漆黒獄双槍》(ヘリッシュガトーショコラ)」


 二本の大槍がユルゲンスを襲う。ユルゲンスは咄嗟に《克巧力》を発揮して応戦するも、その攻撃を防ぐので精いっぱいだった。


「――《螺旋竜巻風》(トルネリンデンロールケーキ)!」


二人は飴色の爆風に包まれ、外側から二人の姿を目視することは出来なかった……



「ほらほら! よそ見してる暇はないと思うけどね!


――《灼熱焦土》(バーンクレープシュゼット)!


――《焼挟炎囲》(アルタータルトタタン)!」


 夕影と天彩は我舞谷と牧ノ矢の二人と戦っていた。我舞谷は地面をマグマのような高温の状態に変え、周りを炎で囲い、二人を包みこんだ。そして……


「《直線鋭刺》(ストレートプレッツェル)!」


 牧ノ矢が夕影と天彩に虎視眈々と冷静に狙いを定め、的確に《克巧力》で作られた犀利な刃を射撃する。


「夕影君、どうしよう……」


 周章狼狽する天彩。


――俺は、絶対天彩を守って見せる。



 そこにあったのは、ちっぽけな虚栄心。



 ただそれだけだった……天彩を守る。


 愛する女性を脅威、恐怖、危難から救い出してやる! 


 ただ、それだけだった……


――いくぜッ! 俺はやってやる!



夕影がまさに今から全力でカッコつけて、いかにも主人公的で、いかにも英雄的、別の言い方をすれば向う見ずな突発的な行動、蛮勇ともいえる行動に及ぼうとした、まさにその時、ホイッスルが鳴り響く。



「はーい! みなさーん! そこまでー! そして、みなさーん! これから言うことを良く聞いてくださーい!」


 美甘先生が拡声器越しに大声で皆に届くような声で呼びかけた。



《お菓子》でおかしな魔法、色々あるよ。


次回は明日6月4日7時更新です。

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