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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
9章 終幕! 一年エクレア組の天上天下ユイちゃんが独尊カップ!
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終幕

「勝者! 一年エクレア組!」

 そうアナウンスがあった時には既に水萌は夕影に背を向けて、光樂のいる方へと歩みを進めていた。

「え……一体どういうことだ……」


 夕影は状況が全く理解できないでいた。てっきりこれから水萌ユイラとの最終決戦が行われると思っていた。てっきり今から水萌ユイラと一騎打ちの対決をすると思っていた……


――なのに!


「降参って……」


「お姉ちゃんはもう勝負の行方が分かっちゃったんだと思います……勝ち目がないと思って潔くきっぱりと勝ちを諦めちゃったんだと思います」


 水会が夕影に囁くような小さな声で言った。


「あいつはそれでいいのかよ、こんな幕引きでよかったって言うのか」


「…………」


 水会は何も言わなかったが、夕影はなんとなく水萌ユイラという人物の持つ一面を感じ取ったような気がした。


「…………」


「ま、とにかく勝ったんだし、意味ありますよ、夕影惟斗」


 そう言って無相はとんと無邪気に夕影の方に触れた。


「そうよ、私たちの犠牲も無駄じゃなかったってね」


 隣には天彩の姿があった。夕影は天彩が壮健な姿でそこにいることが限りなく幸福なことだということを今、天彩を前にして感じた。


「天彩……無事だったんだな……」


「有意味ちゃんがとっさに庇ってくれてなんとか助かったって感じ。本当ありがとうね、有意味ちゃん」


「まあ、おおいに意味があったってことで」


 無相は相も変わらず意味が有るか無いかに拘泥していた。そして、夕影は天彩の快活な声を聞いて充足感で満たされていた。


「夕影プロデューサー! 私たちのこと……忘れてないわよね?」


「そうよ、私達、MVP賞もらえると思うのだけれど……」


 牧ノ矢と我舞谷は報酬をそして賛美を頂かんとばかりに夕影に詰め寄ってきた。


「二人とも、ありがとう……そしてお疲れ様!」


「なんだ、なんだ……そうして、十年ぶりに合った旧友同士のやりとりみたいな感じになってんだ」


「まったく……たかが一戦終わっただけのことだろう」


 彈野原とユルゲンスも夕影の元に駆けつけていた。


「みんな……無事でよかった! そしてお疲れ様!」


 夕影は素直に一年エクレア組の皆に感謝していた。皆の協力がなければ、この勝利はなかった、そう感じていた。


「なにを今更……私たちエクレア組に不可能なことなんてない」


「そうです、夕影さん……私たちが力を合わせれば何でもできるんですよ!」


「やっぱりエクレア組は意味あるってことで!」


「私たちがいれば、一騎当千、国士無双だな!」


「ふふふ……私たちの力を勘違いされては困るわ……」


「夕影帝国に向けて一歩前進ってことね!」


 皆が口々に勝利の喜びを語っているところに天彩は……


「お疲れ様! 夕影君!」


 夕影は天にも昇るような気持ちになった。天彩から労いの言葉を頂けるなんて、まさに、幸甚の至り!


 夕影が心の内で至上の喜びを噛みしめていた、その時、遠くから聞き覚えのある声が聞こえた。



次回は7月17日7時更新です☆

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