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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
8章 相克! 二人のユイトと二人の水会
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キャラだとか

「夕影、水会……すまない……」

 ユルゲンスと彈野原は黒い濁流にすっぽりと呑みこまれてしまい、二人の姿はあっという間に消失した……


 《天上天下ユイちゃんが独尊カップ》開催前、牧ノ矢と我舞谷は連携攻撃のアイデアを考え出そうとしていた。


「我舞谷さん! あなたってほんとは情熱的な人でしょう。普段はスカした態度でそれが? とか、だから何? みたいにしちゃってるけど……いつなんどきも私は冷静です、動揺なんてしません、みたいに飄々としてるけれど……実際のところは、そんな人間じゃないんでしょ。きっとほんとはそんな人じゃないんだよね? それがなんか分かっちゃった」


 牧ノ矢弓射流は普段通り、乙に澄ましている我舞谷に向かってそう言った。


「なによ、いきなり……私は我舞谷由龍、それ以上でもそれ以下でもないわ」


「そんなことを言ってるんじゃないのよ。あなたのその炎の攻撃、どうも私にはクールなキャラが使うような技じゃないかなって思って……その身を焼くような熱い炎、空気が足りなくて不完全燃焼になっちゃってる赤い炎だけど、それでもたぎる血潮のようなエネルギッシュな赤い炎」


――どう考えてもそれって主人公キャラっていうかそんなイメージがあるっていうか……


 牧ノ矢がそう言いかけた所を遮って我舞谷は言った。


「キャラだとかそういうのをあなたは意識しているのかしら、牧ノ矢さん。私は、あなたのそのまっすぐに向かう姿勢、なんとも直線的な攻撃、愚直ともいえるような素直な攻撃、普段のひねくれた物言いからは想像もつかないのだけれど……」


――そういうあなたこそ、主人公キャラって奴じゃないかしら?


 我舞谷が牧ノ矢に向かって言い返した。傍から見れば喧嘩の起きる一歩手前、そう見えるかもしれない。だが、二人の表情はそのような険悪なものではなかった。


「ふふっ……やっぱり私達って似通ってるところがあるのかもしれないわね」


「何勝手に親近感持っちゃってるのよ。本当、迷惑だわ」


 我舞谷はいつものようにぶっきらぼうにそう言っていたが、牧ノ矢にはそれが満更でもないような様子に見えた……




次回は7月8日7時更新です☆

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