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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
7章 激突! 1年エクレア組 VS 1年ババロア組
37/59

最高のステージにしよう!

――ってなわけで、一年エクレア組! 各々作戦通りに行動せよ!


「「「了解!」」」


 夕影がいつになく指揮官らしく皆をまとめようとしている。皆は夕影の言いたいことを承知した上で皆は各自の配置につき始めた。


「全く口下手な学級委員ね」


「ほんと……言い回しが完全におっさんの最後はパーっとお酒を飲もうってのと同じなのよね」


「それでもまあ……言いたいことはなんとなく伝わってるんだよな」


「さあ! ゆくぞ!」


牧ノ矢、我舞谷、彈野原、ユルゲンスはそれぞれ自分の成すことを理解し、静かなる闘志を燃やしていた。


「雪凍乃ちゃん……ちょっといい?」


 天彩が舞台に上がろうとしていた水会を引き留めた。


「さっきはみんなあんな感じで騒いでたけど、ほんとはみんな緊張してたんだ。まあ、雪凍乃ちゃんはきっと私たちなんかよりもっと緊張してると思う。今だから言えるけど、夕影君は雪凍乃ちゃんが戻ってこなくても、どれだけ駄々をこねても、俺が意地でも連れてく、舞台に上げるって言ってたんだよ。ほんと強引だよね。でも、戻ってきてくれて良かった……やっぱり雪凍乃ちゃんは強いね。きっとお姉ちゃんだって越えられる……応援してるからね!」


――ってのは建前で……


 天彩は一呼吸置いて、さっきより強い口調で言った。


「ほんとは私も舞台に立ちたかったんだから! 私だけじゃない! 他のみんなだってそういう子もいると思う! だから……」


――手を抜いたりしたら許さないからね!


――必ず、ババロア組に勝つんだから!


「天彩さん……」


 天彩は水会の背中を押しながら、水会を見送った。


「……がんばります!」


 力こぶを出すしぐさをしながら水会は元気よく言った。


「さあ……いくぜ! 最高のステージにしよう!」


 彈野原、ユルゲンス、水会、そして夕影がステージの上に立って下を見下ろす。夕影は自分がこの舞台においては主役なのだと思うと少し自分に陶酔しそうになった。


 ステージから見る景色は夕影がこれまでに体験したどんな景色よりも美しく、そして重圧を感じるものだった。

 

 曲が始まるまでの須臾。その時間は夕影にとっては永遠とも思えるような長く苦しい瞬間であった。気がつけば、緊張で呼吸の仕方さえも忘れてしまうような、今まで練習してきたことがあっという間に吹き飛んで頭が真っ白になってしまうような、絶望的な想像をしてしまっている自分がいた。



次回は7月3日7時更新です☆

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