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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
5章 編成! 私たちはアイドル!
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頼むよ! 夕影学級委員長!

懇切丁寧に説明をする我舞谷、そのあとに天彩が鬼気迫る表情で言った。


「夕影君! 時間が! 時間がないんだよ!」


「時間?」

――ドゴォーン。


 唐突に轟音が鳴り響いた。何かが爆発したような大きな轟音、窓の外に目をやると黒い塵芥がまるで桜の花びらのようにひらひらと舞いあがっているのが分かった。夕影は何が起こったのか分からずにただその漆黒の粉塵の美しさに感嘆する他なかった。


「またね、彈野原さん……ほんと牧ノ矢さんも大変よね」


「まあ、夕影も復活したことだ、これから作戦会議といこうじゃないか」


「ほんと夕影惟斗が目覚めて良かった」


 どうやらこの爆発の原因は彈野原にあるようで、我舞谷、ユルゲンス、無相は外で起こっていることをものともせず会話を続けている。


「見ての通り、彈野原さんはああやって今、あてもなくがむしゃらに自分の技を発動している始末、そして牧ノ矢さんはそれの実験台になってるってわけ。ってことでこの状況を今すぐに変えないといけないってわけよ。今目覚めたところの夕影君には悪いけど、目覚めたからにはこのクラスをまとめて欲しい!」


――頼むよ! 夕影学級委員長!


 そんな顔で言われたら反則じゃないか。俺が天彩のお願いを断ることができると思っているのか? 出来るはずないじゃないか、そんなの。


そんなこと……出来るはずがないッ


「《雷光嵐》(ライトニングエクレール)」


 夕影が《克巧力》を使った瞬間に、空を無数の光の矢が切り裂いた。先ほどの黒塵万丈を掻き乱し、その圧倒的黒を塗りつぶすような流星の如く注いだ光、その光に導かれるようにして彈野原と牧ノ矢が夕影の下に集まってきた。


「ふふふ……ようやく我らがハーレム隊長のお目覚めってわけね。良い夢は見れたかしら? ここは現実よ、くれぐれも夢と現実をはき違えないでね」


 彈野原との度重なる戦闘で満身創痍の牧ノ矢は出逢って早々夕影に釘を刺してきた。


「はき違えるかっての、ってか俺が見ていたのは牧ノ矢の考えているようなそんなピンク色の夢じゃない」


「ははは! 流石惟斗だな! 豪快な技でびっくりしたぜ! 惟斗がこのまま目覚めなかったら第二回スイーツグランプリが開催されてしまうところだったんだ。しっかりしてくれよ、私たちのリーダー!」


 彈野原が大きく口を開けながら笑っている。どうやらさっきの技がうまく決まったようで上機嫌らしい。


「一、二、三、四……これで、一年エクレア組は全員集合……ん? 一人足りない?」


「雪凍乃ちゃんがいない!」


 天彩が水会の不在に気が付き辺りを見渡してみたがそこに水会の姿はなかった。


「水会の奴、どこに行ったんだ」


「さっきまでいたような気がしたんだけど……」


「トイレとかじゃないの?」


 皆が口々に話し出す。夕影はなんとなくではあるが水会の居場所が分かるような気がした。


――そうだ、きっと、あそこだ!


「ちょっとみんな少し待っていてくれ! 俺、水会を探してくる!」


 そう言い残して夕影は颯爽と部屋を後にして走り出してしまった。


「夕影君……」


 天彩は寂しそうな声を漏らして、夕影のその後ろ姿を見送った。



次回は6月20日7時更新です。

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