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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
4章 英断!? 夕影プロデューサーの決意
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覚悟

しょうがないなーと言いながら、無相はそのプランを怖じることなくはっきりと言った。

「夕影プロデューサーが女装して出場すればいいって言ってんの」


 衝撃発言、そして爆弾発言。なんてこったい、俺が女装? 俺があの光樂とおんなじようになれって言うのかよ。


「いや、無理無理無理! そんなのありえないって!」


 そんな展開、御免蒙るところだった。だれがそんなことするかっていうんだよ。


 なんとしてでもこの無相の奸智に長けた提案を阻止すべく、夕影は考えていた……


「プロデューサー自らが舞台の上で歌って踊るユニットなんて斬新よね……」


「惟斗がセンターってことなら、文句ねーな」


「たしかに、これは妙案だな……」


 牧ノ矢、彈野原、ユルゲンスがうんうんと無相の提案を頷きながら聞いていた。こうしているうちにもどんどんと無相の提案に乗っかろうとする者が増えていく。


「みんな……嘘だろ……嘘だと言ってくれ。そうだ! 天彩! 天彩はもちろんこんなのには反対だよな!」


 きっと天彩は、反対してくれる、こんな暴挙を許すはずがない。さっきまであれだけ激昂していたんだ、賛同する理由がどこにあるんだ、そんなの道理が合わない。そんなはずはないだろ。だよな、天彩……


 夕影は必死に心の中で祈願していたが、どうやらその願い空しく……


「楽しそうね、それ! さんせーい!」


 最後の砦だった天彩も脆く儚く、あっさりと瓦解してしまっていた。


「じゃあ……一年エクレア組のセンターは夕影プロデューサーで決まり!」


 女の子だらけの中で紅一点ならぬ黒一点。夕影の胸中は不安半分期待半分などというものではなく、むしろ恐怖しかなかった。


「み、みんな狂ってる……どうかしてるぜ……ってかまだ俺は認めたわけじゃ……」


 怯える夕影は一切お構いなしで、夕影以外を味方につけた無相の勢いはとどまるところを知らなかった。


「さてさて……そうと決まれば早速……」


 そう言って無相はどこからともなく衣装、というかコスチュームを取り出してきた。


「さあ、どれにする?」


「無相さん! そんなのどこから持ってきたの!」


「企業秘密です」


 無相はノリノリだった。周りの皆もその空気にすっかり併呑されてしまっていた。


「おいおい、俺はプロデューサーだぞ! こんなことになったら、俺は一体誰をプロデュースすれば良いってんだよ! プロデューサーはプロデュースしてこそ輝くんだぞ」


 わけのわからない理屈を言ってなんとか今の状況を打開しようと画策する夕影だったが、夕影に残された道は覚悟を決めることだけだった。


次回は6月16日7時更新です。

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