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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
4章 英断!? 夕影プロデューサーの決意
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Secret fire is discerned by its smoke.

新章突入!

「甘泉先生! エクレア組は負けませんからね!」


 美甘邑依菜がてとてと走りながら一年ババロア組への敵愾心をむき出しにした。


「残念ですが美甘先生、勝つのは私たちですよ。うちのババロア組には光樂くんがいますから……負けません! 絶対に!」


 甘泉遊汝沙は光樂幽絲に絶対的信頼を寄せているということが美甘には分かった。この過剰なまでの自信の源となる光樂という生徒を打ち破り、ぜひとも甘泉の鼻を明かしてやりたい、というのが美甘の秘めたる思いだった。


「へえー……絶対に、負けないんですね! じゃあ、もしもババロア組が私たちに負けちゃったらどうします?」


 慣れない物言いで美甘が甘泉を煽る。


「もしももなにも、負けるはずないって言ってるじゃないですか。その時は美甘先生の言うことをなんでも一つ聞いてあげますよ」


「あーあ、甘泉先生やっちゃいましたね。そのセリフを言った今この瞬間、ババロア組に敗北フラグが立っちゃいましたよ。あなた達はこの時点で負けたも同然です。今から何をしてもらうか考えとかないとなー」


 冗談交じりに美甘は言ったが、甘泉はその冗談を鼻でふふふと笑い飛ばして言った。


「へえー、お決まりのセリフを言っただけで負けるなんてことがありえるんですか。たしかに、最近はテンプレ展開なんてのが流行ってるらしいですけど、私はそんなものに負けないですよ。何度でも言い続けます」


――一年ババロア組は負けない。一年ババロア組は負けない。一年ババロア組は負けない。


 この確固たる自信、揺るぎない自負、美甘はこれで確信した――甘泉は何かを隠している。


「甘泉先生……『Secret fire is discerned by its smoke.』ですよ」


――秘密は必ずばれるんです。


 美甘はカッコよく決めたつもりだったが、結局のところ甘泉の隠し玉が何かということは一切判明していない。故になにかしらの対策が練れるというわけでもなく、この会話が何とも実のないまま終わってしまったということに当の本人は気がついてはいないのであった。



次回は6月14日7時更新です。

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