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ユイがいる『お菓子』で『おかし』な日常  作者: 阿礼 泣素
3章 魅せろ! 新たに開幕、天上天下ユイちゃんが独尊カップ
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アイドル選抜オーディション

こうして、夕影 惟斗はこの一年エクレア組の学級委員長兼プロデューサーということになった

「いったーい!」


 五人の少女によって教室の外に押し倒された夕影は、クラスの外を歩く少女とぶつかる。


「ごめんなさい!」


 反射的に謝罪する夕影、そしてやりすぎたことに気がつく五人。


「なんなのあなた達! まったく、この私を誰だと思っているの!」


 そう言ってエリーティズム全開の発言をした少女は夕影たちを侮蔑の眼差しで突き刺した。


女鹿舘(めがたち)さん! そんな人たち放っておきましょう! 私たちにはやらないといけないことがあるんだから」


 女鹿舘という少女を一緒にいた少女がなだめる。その時夕影はこの女鹿舘という少女からなにか得体のしれないおぞましい空気を感じ取った。


「そうね、こんな人たち放っておきましょう」


 颯爽と二人は廊下の向こうに消えていった。その姿を夕影たちはただ見ていることしか出来なかった。

「さっきの人たちは誰だったんでしょうね?」


「さあ、他のクラスの情報ってのはほとんど入ってこないわけだから私たちがいくら考えたって時間の無駄よ」


 牧ノ矢と我舞谷が先の人物について考えているのを遮るようにして声が割り込む。


「そ・れ・よ・り! 夕影プロデューサーは誰をアイドルとして舞台に立たせるつもりなのかな?」


 天彩が話題を戻し、夕影を追い詰める。夕影はその勢いに圧倒され、すっかり辟易してしまった。


「そうだ! 惟斗は誰推しなんだよ!」


「ふふ……夕影は巨乳好きとみた!」


 ユルゲンスはこれでもかと言わんばかりに、夕影にそのふくよかな胸部をすりつけてきた。ユルゲンスの煌めく金色の髪からほんのりとシャンプーの香りが漂ってきて、夕影はその蠱惑的な芳香に魅了される。


「あ! 抜け駆けはずるいぞ! ユイアーネ!」


 そう言って彈野原もユルゲンスに負けずに夕影に迫り寄る。夕影は二人の胸にすっかりと埋もれてしまい、呼吸もままならない状況となった。


「た……たすけ……て」


 夕影の必死の救助要請も二人のダイナマイトボディの前では無に帰す結果となり、夕影は完全に身動きが取れなくなっていた。


「まったく、さすがハーレムプロデューサーね。ふたつのおっぱいに囲まれてさぞご満悦なんでしょう」


 牧ノ矢が夕影のラッキースケベ展開を揶揄するとともに冷やかな眼差しを容赦なく夕影の方に向ける。


「ちょっと夕影君! 大丈夫!」


 天彩が夕影の救出に向かおうとした、その瞬間……


「明日! 一年エクレア組! アイドル選抜オーディションを行う!」


 夕影は威勢よくそして、声高らかに言った。これが仮に普通の状況であれば多少の威厳は保てたものの、残念ながら夕影は彈野原とユルゲンスの胸の間から顔を出して言っていた。


「ゆ……夕影君……」


 苦笑する天彩、したり顔の夕影。そして、一年エクレア組の生徒はこの宣言を耳にした後、各々が自分磨きに没頭することとなった。


「《中心空虚》(ドーナッツリング)!」


 ユルゲンスは巨大な輪を発生させ、その輪の直径を徐々に小さくしている。どうやら相手を拘束する技の練習を行っているようで、その微調整に苦心している様子だ。その脇では、彈野原が、


「《黒烈激流波》(チョコレートフォンデュ)!」


 豪快にブラックホールのような黒流を生み出し、その場にある何もかもを呑み込む勢いで《克巧力》を放出している。辺りを見回してみるとユルゲンスや彈野原だけでなく、他の皆も各々で技の洗練に精を出していた。具体的な目標を与えられた一年エクレア組の生徒たちは水を得た魚のように生き生きと輝いていて、皆アイドル選抜オーディションを意識しているのが伝わってきた。


と、ここで夕影が教室の異変に気がつく。


「あ、あれは……?」


 教室の隅で何かが蠕動を繰り返している――それもかなり大きい何かが。おそるおそる夕影はその謎の何かに近づいてみると……


誰がアイドルになるのか!?


次回は明日6月10日7時更新です。

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