プロローグ 「悪夢」
……どこだここ?
気がつくと湿った洞窟の中にいていた。見たことある景色だがどうやら思い出せない。全身に力が入らず寒さも体のだるさも感じられない不思議な感覚だ。
しばらく時間が経つと洞窟の奥の方から物音がきこえてくる。
ドーン ドーン ドーン ドーン ドーン!!!!
何かを叩きつけているかのような奇妙な音が聞こえる。
何かとてつもなく嫌な雰囲気を漂わせる感じがした。だが、それ以上に音の正体は、なんだろうかという興味にそそられていく。音の正体を確かめるために物音がきこえてくる洞窟の奥へと足を運ぶ。
ビチャ ビチャ ビチャ
自分の足音がよく聞こえるくらい神経が研ぎ澄ませれていた。進むごとに嫌な雰囲気がどんどん膨らんでくる。それと同時に音の正体はなんだろうかという興味心も膨らんでくる。
ドーン! ドーン! ドーン! ドーン!!
洞窟の角を曲がった方から音が強く聞こえる。その先からはさらにとてつもなく嫌な雰囲気を漂わせる。この先に一体何があるんだろうな。正体を突き止められるという達成感と同時にとてつもなく怖いという感情もある。その二つの感情を持ちながら洞窟の曲がり角を進む。
ーーーまじかよ………
なんとそこには黒い人影が金棒を大きく振りかぶって見知った女に振りかざす!
ドーン!!
血が周りに飛び散る。顔は見えないが何故だか黒い人影がそれを平然と何度も繰り返す。
ドーン!! ドーン!! ドーン!!
嫌な予感がした。今すぐこの場所から離れなければ本能が言っている気がした。後ろを振り向くと
見知った男がいた。何かを必死に話しているが何故だが聞こえない。その男表情は、怒り狂っているようにもみえるがとても悲しそうな顔をしているようにも見える。
そして男が背中から剣を取り出した。そして男が黒い人影に突っ走る!!
ーーーーグサ!!!!!!!!
次の瞬間自分の景色が変わっていた。黒い人影に走って行ったはずの男が目の前にいる。
ーーー痛い 痛い 痛い 痛い 痛い
自分の腹を見ると男の剣が突き刺さっている。自分の腹に刺さっている剣が反射して自分の顔を映し出す。
それはなんと黒い人影の顔だった。
次の瞬間、僕は目を覚ます。