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佐惟の連載、ついに始動。
小さいころによく遊んだ公園。
小さいころによく遊んだ、名前も覚えていない、近所の誰かさん。
小さいころは、なにをして遊んでいたのか。少なくとも、わたしの記憶には残っていない。
ただ、そうした曖昧な記憶のなかに、ひとつだけ確かなものがある。
名前も知らない。年齢も、どこで遊んだかもわからない。
そんな“きみ”の姿だけが、モノクロの記憶のなかで鮮やかな色を放っている。
記憶のなかに強く残っている“きみ”を探しながら、わたしはいつしか高校生になっていた。
そして、“きみ”の存在に気付いた時、わたしは“おとな”になってしまった……。
――これは、わたしの世界の物語――




