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うん、雅。

次にみうが目を開けたとき、そこは森の中だった。


……ここ、どこ?


周りを見回してもあるのは木ばかり。不安で腕をさすろうとしたとき、腕の中のぬくもりに気がついた。見下ろすとみうのお腹に抱きつきピクリとも動かないナマケモノがいた。そのぬくもりを抱きしめると幾分か不安が和らいだ気がする。


「名前…まだなかったね。……みやび…うん、雅。あなたは今から雅だよ。」


やはり動かないが今はこのぬくもりしか縋るものがないのだ。もう一度雅を抱きしめ、深く、ゆっくりと呼吸をする。少し落ち着いてきたので今一番状況を確認してみよう。ここはどこかわからない森の中。私の服装はノースリーブの花柄ワンピース。うん、気を失う前と変わりなし。身体が痛むとか、覚えのない傷があるとかもない。となると私はいったいどうやってここに来たのか。


仮説1は誘拐された。だが私の目の前には父がいた。ならば誘拐の説は消えるだろう。仮説2は自ら来たという説。考えられなくもないが裸足の状況で意識のないまま来たというのもおかしな話だ。よって自分で来た説も可能性が低い。仮説3は父がつれてきた。仮説としては一番おかしくないがいったい何の為に?疑問が残る。その時……。


『そこの女!いったいここで何をしているっ!!』


突然剣を持った男が森の中から現れみうに向かって剣を突き出した。男は何やら騎士の制服のような物を着ておりおそらく180センチ以上あるのだろう。一目で鍛えているとわかるほど体格がいい。


『答えよ!!』


男は先程からみうに向かって何かを言っているが日本語にも英語でもないそれをみうは聞き取ることができなかった。何も答えないみうに男は痺れを切らし、無理矢理みうの腕を掴み立ち上がらせた。そしてそのまま腕を引っ張り歩き出した。いくらみうの身長が164センチと女子の中では高めでも180超えの歩幅についていけるはずもなく、引きずられるような形で連れて行かれた先には開けた場所があり、男と同じ服を着た者が5人と他に男が2人。


『誰だその女は』


『はっ、アンドリュー王子!森の中で座り込んでおり、声をかけても何も答えず、更に怪しい物を持っていたので、不審と判断し連れて参りました』


『ふーん。ねぇ、君、名前は?』


みうに話しかけてきたのは騎士のような制服を着てない2人のうちの1人。随分整った顔立ちをしており輝く金髪と青の眼がさながら王子様みたいだ。しかし、こんな森の中で白いズボンを履いて大丈夫なのだろうかなどと関係のないことを考えてしまう。そうしてボーッとしてると目の前に剣を突きたてられた。


「ひっ……」


『名前を聞いてるんだよ。黙秘は許されない』


「あ…のっ……ここは、どこですか?……私、帰らないと……」


『そんなに長い名前なの?その腕の中のは何?俺そんな動物見たことないんだけど』


みうは全く通じない言葉にありえないと否定していたとある仮説の可能性を考えだした。


いや、まさか……でも、この仮説を正しいとすると疑問はあっても多くのことに理由付けができる。この場にいる人達は皆彫りが深く顔立ちをしておりどう見ても日本人ではない。


「I'm Miu.Where is here?I have to go home.」


『さっきから何を言ってるの?』


『どうやらこの国の言葉は通じないようだな』


世界中多くの場所で使える英語すら通じなかった。その事実はみうの認めたくない仮説にまた一歩近づいてしまった。


………ここは、異世界………?


『どうやらそのようだね。不法入国とかの可能性もあるし、その生き物の生態もわからないからとりあえず拘束しとく?』


『ああ、そうだな』


もう1人の制服でない男がみうの顎を掴み強制的に上を向かせた。みうの視界には男らしいキリッとした顔立ちが映った。まるで蛇に睨まれた蛙のように身体が動かなくなってしまった。それほどの支配者である空気を彼はもっていた。ああ、殺されるのだろうか…。あまりに理不尽ではないか、これほど己の運命を恨んだことはない。諦め目を閉じてしまおうかと考えたとき…


『あーーーーーーっっ!!!!!』

個人的にはヤンデレが好きです。ヤンデレにできるかなぁ……

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